【完全保存版】体験者が語るADHD、大人のADHDとは?
どうもこんにちは、ダンです。「ADHD」、「大人のADHD」って言葉、一度は皆さんも聞いたことある人が多いんじゃないでしょうか。
いきなりですが、ADHDという言葉を聞いて皆さんはどんなことをイメージするでしょう。学習障害、注意力散漫、落ち着きがないなど、
どちらかというとネガティブに捉えられがちではないかと勝手ながら推測致します。
今日はもういきなりカミングアウトと言うか、本題から話をしてしまうのですが、ダンは軽度のADHD持ちで、HSPも持っています。しかもちゃんとお医者様からのお墨付き。やったぜ。
実は30歳になるぐらいまで自分がこういった特性を持っていることについて全く知らず、
一体なんでこんな簡単なことも出来ないんだ?マジで想像以上に自分ってダメじゃん…
って思うこと数知れずで、職場で本当に沢山怒られてました。周りからすると、当たり前のことが出来ないダンなんてもうどうしようもないダメ男ちゃんで、格好の叱責材料でした。
叱られることでどんどん自分が惨めになり、自尊心、自己肯定感が低下する。自己肯定感が低下することで、仕事に対するやる気も生きる気力もなくなっていき、またミスをする。
そして何とか耐えに耐えてきたものの、とうとう越えてはいけないラインを越えてしまい、精神的に参ってしまい、鬱病を発症する。
基本的にはこの繰り返しで、ADHD持ちが歩むお手本のような足取りでした。転職を繰り返したのも、過剰に叱責され(この歳になっても自分が悪いとは思ってます)
精神的に限界を迎え、結果色々な理由をつけて逃げるように退職…という形をただただ無機質にループしまくっていた、というのが今振り返ると当時起きていたことだったなと思います。
私自身はHSPも持っている為、ADHDの人が同じ職場にいると、一般の人がどんな感情をADHD持ちに対して抱くのかは経験上、そして俯瞰して考えても非常によくわかり、共感することが出来ます。
私みたいにおっちょこちょいで、不注意でミスが多い人が職場にいたら、危なっかしくて重要な仕事を任せたいとも思わないし、余計な仕事が増えるしでそれはそれはイライラするでしょう。
でも、やっている本人は決して仕事をナメている訳でも、適当にやっているわけでもなく、真剣にやっていることはわかって欲しいと当時ずっと思ってました。
今となっては自分の現実をきちんと認められている為、ADHDの人間の気持ちをわかって欲しい、とは言いませんが、ADHD持ってる人間がどんな特徴があって、本人はどんなことを考えているのか、
せめてそれだけは理解して貰えたらと思い、こんな記事をガラにもなく書こうと思いました。そうは言いながらも、この記事を読んで、理解出来る方というのは
相当に心が広い方か、私と同じようにADHD等何らかの症状を抱えている方だと愚察致します。一般の人は、読んで軽く引くぐらいが正常なリアクションだと思ってます。
それでもADHDやHSPがあったって、他の人よりも高いパフォーマンスを出すことは可能ですし、私自身はADHDやHSPを持っていることを今はコンプレックスだと思いません。
ベンチャー企業という、決して規模が大きい会社で、No.2のポジションも貰って優秀な社員の方に恵まれ、助けて貰いながら仕事が出来ています。お陰様でちょっぴり贅沢が出来る程度の報酬も頂いています。
そんなちょっとだけ普通に生きて来れなかった、私のADHD&HSPライフをもとに、ADHDについて書いていけたらと思っています。
ADHDには良い面も悪い面もある為最終的には「個性」だと思っているので、両方列記するよう心掛けて記事を書きたいと思います。
ADHDってなんだ?
そもそもADHDってなんだ?って話だと思うので、最初に少しだけ解説させて下さい。
ADHDの正式名称は「注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害」で、英語名の(attention deficit hyperactivity disorder )の頭文字を取ったものを言います。
主な症状としては
①不注意
②多動性・衝動性
が挙げられるので、そちらについて紹介します。
不注意
集中力が持続しない、継続的に1つの物事に取り組むことができない、ミスやなくし物が多い、上の空になりやすいなどの症状が見られます。
本人は真面目に取り組んでいても、他者から見ると怠けている、すぐに物事を投げ出してしまうなどと思われるようになってしまいます。反抗心などによるものではありません。
多動性・衝動性
多動な子どもは、じっとしていることができずに絶えず動いています。たとえば、学校の授業を椅子に座って聞き続けることが困難であったり、貧乏ゆすりを繰り返したりします。
別の理由で医療機関を受診した際に、じっと椅子に座っていることができない様子からADHDの可能性を疑われることもあります。また衝動性が目立つ場合、どのようなことが生じうるかあまり深く考えずに、すぐに行動に移してしまいます。気になるものが目に入ると危険をかえりみずに突然道路に飛び出してしまったり、相手のことを考えずにパッと思いついた言葉を発して他人を傷つけてしまったりすることも起こりえます。
※いずれもメディカルノート様 より引用
子供の頃のADHDは見分けがつきにくいことも
もともと子供自体落ち着きがなく、衝動的に道路に飛び出したりするものなので、それが子供特有のものなのか、ADHDが原因によるものなのかの見分けがつきにくいことがあるみたいです。
ADHDの簡易テスト
あくまで簡易的なチェックにはなりますが、こちらで行えるようです。
幼少期の頃からADHDの傾向は出る!?
このチェックリストを見て自分の断片的な記憶と照らし合わせる限りですが、幼少期からガッツリとADHDの萌芽が芽生えていたようですね(笑)
以下非常にわかりやすいADHD持ち特有のエピソードをかいつまんでいくと
- 学校で貰ったプリントは基本ランドセルに突っ込む為、グシャグシャがデフォ
- 担任の先生のおたより帳には「落ち着きがないですね」と書かれる
- 学校の机の中、引き出しはグッチャグチャ、筆箱の中はモノだらけ
- 服は脱いだら地面放置、靴下はオールウェイズ片っぽ行方不明、左右違う靴下履いて行くのは日常茶飯事
- 忘れ物をしたことを家に帰ると忘れている
- 朝顔は枯らす為のもの、理科の実験は失敗するためのもの
ううむ、我ながらなんてテンプレート通りに生きていたのだろう(笑)
但し椅子にジッと座ってられないようなことはなく、大人しく座って活発に挙手もしていた記憶があります。
ADHDだから勉強が出来ない、という訳ではなくむしろ得意だった
典型的なADHDの行動をフルコースでやっていた訳ですが、では学業はどうだったのかという話。
小学校~中学校までは自分で言うのもなんですがかなり学業に関しては優秀でした。
中学校は学年250人中、常にトップ10をキープしていましたし、点数も
国語 90~95
数学 90~100
社会 95~100
英語 95~100
理科 85~90
と、少し理科は苦手にしていましたが大凡優秀な成績を取れていたと思います。
但し中身を見るとADHD特有の症状フルコース!
定期テスト等では大体450点以上コンスタントに取っていましたが、よっく中身を見てみるとやはりここでもADHD特有の症状が出ています。具体的に言うと
- 100点が取れない理由は序盤の計算ミス、スペルミス、「記号で書け」の見落とし
- 難問ほど正解している、学年で誰も解けなかった難問も私だけ正解
で、過集中&おっちょこちょいがこれまでもかってくらいゴリ押しされてますね。
更に、4教科になると
- 美術は壊滅的に絵心がなく、画伯の為いつも通知表は2
- 体育は球技が多い学期は4、スポーツテストのある学期は2
- 音楽は4or5
- 技術家庭科、技術は美術の画伯ぶりを横展開し壊滅的に不器用の為大体2、家庭科は料理の腕が学年1位(調理実習のチャーハンコンペ、手打ちうどんコンペで何も練習せず学年1位を取り女子から顰蹙を買う)の為5、合算して3~4
とここでもADHDの才能を発揮。定期テストは450点以上安定して取るのに、通知表は30~36と
コイツ何なの、ってぐらいアンバランスさが際立ちますね。
勉強が得意だったのは頭が良かったからではなく、旺盛な好奇心によるもの
ダンは小学校の時から知的好奇心は旺盛で、毎朝自宅で取っていた中日スポーツの野球欄を丹念に読み込み、
選手の打率と防御率等細かい数字にまでキッチリ目を通してから学校に通い(そのお陰で百分率は小1で覚えました)、
学校から帰ると宿題をサッサと片付け、自宅にあった子供百科事典を寝るまで何度も読み返してました。中学に上がるタイミングで学習塾に通い出したことも要因ではあるのですが、
もとを辿ると幼少期の旺盛な好奇心が学ぶという行為を促進させていたのだと思います。
高校に上がり、結果私は進学校で落ちこぼれてしまいましたが、同じ高校に通っていた同級生でも私に近いようなタイプの子はそれなりにいました。
ADHDと成績についてはそれほど相関関係がなく、一般の人と大差がないのではないかと個人的な感覚では思っています。但し極端に勉強が出来るか、極端に苦手かの二択で、中間というのが少ないのではないかと思います。
私自身の行動動機は、「難しいか簡単か」ではなく「面白いか面白くないか」であることが結構多いので、「物事のやり方」よりも「物事の魅力」を教えて貰った方がうんと作業が捗ります。興味が湧いたら、あとはほかっといても自分で納得するまで寝食を忘れて調べたり試したりしますので。
これは私だけでなく、ADHD持ちの人へのアプローチとしてはかなり有効なメソッドだと、ADHD持ちの目線で見ても思います。
私だけ?図形や空間認識力が著しく低い
これは他のADHD持ちの方にも確認したい事項の一つなのですが、絵が苦手(真っ直ぐ線が引けない)で手先が不器用なことと関連してか、数学の図形分野はかなり苦手でした。
特に展開図。展開したら面○○は何処へ?面○○の裏側には一体何が?
そんなもん知らねーよ!って感じでした。
但し体を動かすことでの空間認識力は動体視力が優れていたせいもあってか、かなり高かったように思います。
サッカーの授業でセンタリングが上がった時に落下地点を即判断する力とか、ソフトボールの授業で外野を守っていて、打球が何処に落下するのか把握する力とか。
静止した状態の空間認識は苦手で、動いている空間認識は優れてるとか、そんな矛盾したことあるんでしょうかね。でもまぁ結果だけ見るとそんな感じでした。
社会人編~事務作業させたらADHDは天才的にポンコツ、だけど得意分野は…~
ADHDの本領を発揮するのは社会人になってからです。
経費精算。お手本を見て書いても必ずミスがある。
役所に行って申請書を出すと必ず不備で突き返される。
机の上がグチャグチャ。
頭の中がグチャグチャ。
心が乱れた状態で上司に叱責される。話の内容なんて殆ど聞いてない。
また同じミスをする。また上司に叱責される。
ADHD殺し奥義その1、「マルチタスク」
ダン君、今日はAの締め切りが近いから午前中最優先で処理してくれ。
わかりました。早速終わらせます。
数十分後…
もしもし、B社のB村です。至急、Bの案件対応頂きたいんですが。
わかりました。至急対応致しますね。
更に数十分後…
あ、ダン君。Cの経費今日が期限なの。今すぐやってくれる?
わかりました、今からやりますね。
うわ…一気に色々立て込んで来た…そういえば昨日D社に連絡してないじゃん!これ終わったらD社に連絡しないと!
11時30分過ぎ
ダン君、A終わった?
あ、いえ、BとCが長引いてしまい完了してません
はぁ!?朝Aが最優先って言っただろ!なんでBとCオレに相談なく進めるんだ!
ヒェッ…すすすすいません、すぐやります
これ、一般の人からすると「そんなアホな」な話だと思うんですが、ADHD持ちの人には恐らく滅茶苦茶共感して貰えると思います(笑)
ADHD殺し奥義その2、「同じミスを繰り返したり、些細なミスを叱責」
お前こないだも○○添付し忘れたよな!?これで注意されるの何回目だ!?人の話ちゃんと聞いてんのか!?
すみません…
だからこういう場合は△△だって!よく考えたらわかるだろ!
(しんど…)
ADHD持ちとしては、特に悪気があって同じミスを繰り返したりしているわけではないのですが、一般の人からすると同じミスを繰り返すことについて理解出来ない部分もあるでしょう。
ADHD持ちからすると、同じミスを繰り返してしまう原因がわからないことの方が多いのです。特に数字のうっかりミスはADHDの伝家の宝刀。
自分で見直しても自分のミスに気づかないことがよくあります。これはもうどうやっても治らないものだとダンも思っています。
そして、これを繰り返し叱責されるとADHD持ちはどんどん自尊心が傷ついていき、メンタルに来ます。しかも叱責されると、ADHDはやや過剰な程それをネガティブに捉えがちな為、同じミスを繰り返し叱責されることでトラウマになったり、鬱病の引き金になったりします。
ADHD持ちが不得意に感じる仕事、失敗しない為のアプローチについて
私自身の経験から見てもそうですが、ADHD持ちの人間は
- 完璧が求められる細かい作業
- 膨大なタスクを一日でこなすマルチタスク型業務
- 優先順位がリアルタイムで頻繁に変わるような仕事
- 締め切りや時間に常に追われるような仕事
- 減点主義思考がはびこる会社、上司がいる職場
は滅法苦手だと思います。理由としては100あるうちのキャパを上手く振り分けたり、切り替えたりすることが不得意だからで、特に余裕がない状態で
何か確認させたり、チェックさせたりするとかなりの確率で抜け・漏れが発生します。だってそんなことしてる間は、心ここにあらずで別の業務のことで頭がいっぱいだから(笑)
逆に言うと時間に追われないよう余裕を持たせたり、シングルタスクに専念させると一般の人とほぼ同じくらいのパフォーマンスが出せると個人的には思っています。最後にチェックしてあげるくらいは必要だと思いますが。
それとADHD持ちが理解しておかないといけないこととしては、一般企業に就職する際に上記のようなことが業務として行うことがないか必ず事前に確認しておくことでしょう。
絶対にオススメしませんし、努力だけで何とかなるものではありません。最悪の場合精神を患って、冗談じゃなく再起不能になってしまうことも考えられます。
それで自己肯定感がどんどん下がって行って、QOLまで下がってしまっては一体何の為に仕事をしているのかわからなくなります。
「能力として向いてない」だけの話で、「あなたが仕事出来ない」とは別の話です。苦手なだけ。割り切っていきましょう。他にいいところいっぱいあるんだから。
ADHD持ちが躍動!?ADHD持ち特有の「初速の速さ」
今度部内で新しく○○を始めることになったんだけど、目的は…。でもなぁ新規だから、失敗しそうだなぁ…困ったなぁ…
それマジですか!?めちゃ楽しそうっすね!自分やりたいっす!
お、おう…ダン楽しそうやな…じゃあちょっとどっかで時間あったら調べてみて…
○○を調べてみよう。なるほどこういう背景があって、今後こういうことが予測されて、競合がココで、うちの強みはここだから…こうやって攻めていけば上手くいきそうだな
数時間後
上司さん、さっきの○○調べてパワポに纏めてみました。大体こんな感じなので、アプローチこうやろうと思ってます。
おお、ダン速いな。なるほどよく出来てる。ちょっとこれ持って部長と話してみるわ。
ありがとうございます。
ところで今日頼んだ△△、どこまで進んでる?
あっ…
…
…(気まずい)
数週間後
ダンあれな、部長と話して物怖じせず前のめりにやりそうだからってことでダンにお願いすることにしたわ。
ありがとうございます!全力で躍動したりマッス!
ほんとにお前って新しいものとか人が失敗を恐れる場面で迷いなく踏み込むよな…
ええ、だって楽しそうじゃないですか!誰もやったことないし失敗して当たり前ですから!
数ヶ月後
やー楽しい、実に楽しいぞ。失敗して当たり前だから怒られることも少ないし、自分のペースで自分のやり方で出来るから、少しずつだけど結果も積み上がってる。これは上手くいくぞ…
更に数ヶ月後
ダン、社長がな、上半期の社内MVPお前だって。結果は少し足りなかったけど、新規事業に取り組む姿勢とガッツが評価高かったぞ。
ありがとうございます!
コンフォートゾーンを確保出来た時のADHD持ちは高いパフォーマンスを発揮
上記は誇張でも何でもなく、事実体験をそのまま書いたものなのですが、あれだけ細かいミスを沢山して、散々怒られている人間とは別人のように
違うステージに行くと輝くことがある、それがADHDの特徴でもあると思ってます。自分自身の体験としても思うのですが、
ストレスが少ない職場環境かつ自分自身が興味のある分野で、しかも得意なこと
この条件が揃った時、ADHD持ちは一般の人の倍以上のパフォーマンスを発揮することが出来ると思います。
ゲッターロボの歌みたいだ(笑)
何で高いパフォーマンスが発揮出来るのか、って話なんだけれども、良くも悪くもADHDの特性でもある、スペックの偏りによるものだと考えます。
一般の人の得意・不得意による能力値の振れ幅が0.8~1.2ぐらいだとしましょうか。(1が標準)
ADHD持ちだとその振れ幅が0.2~1.8ぐらいまで大きくなりますからね。
単純な話、得意分野だけを絞って掛け算していけば
1.2×1.2×1.2よりも、1.8×1.8×1.8の方が数字として大きくなるのは当たり前の話で
得意分野だけで勝負出来る環境さえ整えば、ADHDは能力の偏りという特性を生かして高いパフォーマンスが発揮出来ると思います。
但し、苦手分野で掛け算するととことんポンコツになるのもADHDの特徴なので、ADHDの能力が花開くか否かは、外的な環境が一般の人以上に大きいというのを感じます。
ADHDは「能力の振れ幅が人よりも大きい、ちょっと変わった個性」
ADHDと一口に言っても色々な症状やタイプがある為、一概には括りにくいものだと個人的には思います。病気として診断され、薬を飲まないといけないケースもあるようですが
幸いにしてダンは過去に鬱を患った経験こそあれど、著しく社会生活に支障をきたすものではないとのことで特に薬を飲んだりはしていません。
ADHDと診断された時も
でもまぁ、確かにそうだよな…思い当たる所しかないし、なんか普通の人と感覚が違うし、話が合わないなとは思ってたから
と冷静に受け止めることが出来ました。
社会人になってADHDと診断され、落ち込んだ人もいるかもしれませんが、とりあえず普通に高校に行けて、大学に行けて、社会に出て働くことが出来たのであれば
そこまでADHDについて重く捉える必要がないんじゃないか、と思っています。
ADHD持ちの約3割は社会に出られない、という記事を見たことがあります。重度の方ともなると、社会に出ることすらままならないということなのかもしれませんが、
今この記事を見て、社会人として働いているあなたは少なくとも社会に出て、社会人として生きていくことは出来ると見做して良いと思います。やったね。
とは言いながらも、やはりそう診断されてしまった以上一般の人とは少し違う所に気をつけて、世の中を生きていく必要があるのかもしれません。
能力の振れ幅が大きいとは、言い換えれば偏りが大きいということでもあるため、1以上の数値、つまりアドバンテージが取れる所に身を置けば一般の人以上に輝ける可能性が高いものの、1以下の所に身を置くと悲惨な未来が待ち構えています。
だからADHDが毎日楽しく生きていく上には、絶対に1以上の環境に身を置くことが欠かせないと言えます。
ADHD持ちが社会に出て、自分らしく生きていく為に
自分らしくの定義が人によって違うと思いますが、ADHD持ちの人が社会に出て生きていく為に必要なことを幾つか紹介したいと思います。
自分の特性を正確に理解して会社や職種を選ぼう、さもなければ社会的に○ぬ
同じくADHD持ちの借金玉さんも触れられていますが、基本的にADHD持ちの人間が減点主義で、かつ細かい作業が主となる組織に属すると、身を滅ぼすリスクが極めて高いです。
従ってまずはそのようなカルチャーの会社、または職種は一番最初にフィルターをかけて外しましょう。どれだけ待遇が良くて、どれだけネームバリューのある会社だったとしても、です。
断言します、ほぼ間違いなく続きません。
特に伝統ある大手企業と、ADHD持ちの相性はすこぶる悪いと感じます。相当に懐が広くて、事前にADHD持ちであることを伝え、それでも内定を下さる企業であれば
事情は多少変わるのかもしれませんが、それでも過度な期待はしない方がよいと思います。
ADHD持ちが狙う企業や職種
基本は大手企業ではなくこれから伸びていく成長産業で、かつ加点式で評価してくれるような会社を出来る限り選ぶことがADHD持ちにとっては自分の身を守る上で大切だと感じます。
ミスに不寛容な環境だと、ADHD持ちは1以上の偏っている強みを最大限活かせない可能性が高いです。
注意しないといけないのは、会社のカルチャーがそうだったとしても直属の上司が減点式思考だったりする場合。
上司や上司の上司に相談して、自分のことを理解して貰えればいいのですが、理解されない場合は思い切って辞めることも大切だと思います。
その理由についてですが、一般的な感覚だと人間関係で辞めることは恥だと感じたり、我慢出来ないやつ、というレッテルを貼られがちなんですが、ADHD持ちとなると話が別です。
減点思考×ADHDの組み合わせは最悪で、一般の人が一撃で食らうメンタルへのダメージが1だとすると、ADHD持ちはザックリその3倍、一撃で3くらい食らいます。
しかも一般の人の10倍はうっかりしたりミスするので、一般の人が1×1だとしたらADHDは3×10。
同じ人の下で同じ仕事をしても、一般の人とADHDではメンタルに跳ね返るダメージがザックリ言って30倍は違うのです。
これが積もりに積もっていくと、やがて心が疲弊し、鬱になる。私は医者ではないのですが、ADHD持ちが鬱を併発する、というメカニズムは何となくこんな流れだろうな、ということが想像出来ます。
減点主義の上司とずっと一緒にいて、細かいミスを叱責され続けると最悪の場合も考えられます。なので自分の命に関わることなので、環境が変えられなかったら自分で環境を変えることがADHD持ちには必要です。
また、狙う職種ですがこんな記事がありました。
この記事で書いてあることと似たようなことが書いてあって、ウッとなってしまいました(笑)
やはり複数のタスクを同時並行で行ったり、チームプレーでやっていくよりも個人の力に依存し、積み上げ式の仕事の方が向いているのは間違いなさそうです。
しかしADHD持ちが吸い込まれるようにやってくる、IT関係の仕事って本当に凄いなと思いますね。プログラマやSEもそうですが、ブログのようなWebライティングも向いてると思います。
ミスを誰かに指摘して叱責されることもないし、良くも悪くも自分次第、という所はADHD持ちの特徴とも相まって非常に相性が良いと思います。
ただしいつまでも環境依存はダメ、快適な環境は自分で作る努力を
ADHD持ちが持って生まれた偏りという個性を活かして輝くには外部環境×能力が大切、ということをお伝えしましたが、勿論全て外部環境に依存するような働き方はしてはいけません。
それはつまり「当たりガチャ」を延々と待っているような状態で、最初に良いガチャが出れば良いのですが、あまり良いガチャじゃなかった時にいきなり詰む可能性があるからです。
病気のことをカミングアウトすることに勇気が必要かもしれませんが、どういう特性なのかを話して理解して貰う、叱られると萎縮するので具体的なアクションを付けて指導して欲しい、等話し合えるネタはADHDを持っていたとしてもあるハズです。
自分が少しでも快適な環境で仕事が出来るよう、自分の環境は自分で作るつもりで努力はしましょう。その結果受け入れて貰えなかったり、拒絶されるような答えが返ってきたらその時は話が別。
自分の身を守る為に環境を変えたり、何処がダメだったかを考えて次に活かすことは恥ずかしいことでもなんでもありません。
運だよりのガチャと、一つ一つ失敗を検証して確率を上げるよう努力したガチャでは、次のガチャの期待値が全然違います。特にADHD持ちの人はここを意識しましょう。
参考までにダンも同様のリアクションを若い頃繰り返し、ベンチャーのNo.2になった今も細かい書類や数字のチェックは、よく出来る部下の子にお願いしてやって貰っています。
タスクがグチャグチャにならないよう、手元にはいつもタスク管理用のメモがあり、そこにタスクを書き出し、優先順位を決める軸とにらめっこしながら、優先順位を決めて仕事を巻き取ったり、部下の子にお願いしたりしています。
よく忘れるのでダンからアサインした仕事については部下の方からマメに声を掛けて欲しいこと、その代わり声を掛けてくれたらどんなミスがあっても絶対に叱らず、相談してくれた案件で何かあっても全てダンの責任であることを部下の子と話し、約束、了承して貰っています。
得意な所は徹底的に伸ばして人の分までやるくらいのつもりで。苦手な所は謙虚に頭を下げて、徹底して手伝ってもらう。
シンプルですが、この考え方は是非大切にしていきたいものです。
同僚にADHD持ちがいて、対応に苦慮しているアナタへ
ここまで、ADHD持ちであるダンが、同様にADHD持ちである方に向けて書いてきました。
しかしADHDを同僚に持ち、あまりに信じられないようなミスややらかしをすることで対応に苦慮し、何とかしたいと検索してここに来られた方もいると思います。そう、アナタですね。
ADHD持ちを代表する訳ではありませんが、一言言わせて下さい。沢山ミスをして、沢山迷惑を掛けて、本当にすみません。ミスをしたことに対して、一切弁解をするつもりはありません。
ですが、これだけはどうかご理解下さい。
やる気がなくて、ミスをしているわけではないこと。自分でもミスを防ぐにはどうしたらよいのか本当にわからないこと。
そしてその状態で叱責される度に、どんどん心にドス黒いモノがこびりついていくこと。それが続くことで、最悪の事態が頭をよぎることがあること。
もしご理解頂けるのであれば、是非こうやって私達にアプローチして下さい。一同泣いて喜びます。
- ミスが発生したら叱責するのではなく、組織としてどうミスを防ぐか一緒に考え話し合うこと。
- 一度にタスクを渡すのではなく、優先順位を決めて渡す。出来れば一つずつ。
- 私達がやった作業にはミスが多い為、大変手間ですが一度チェックして貰うこと。
- 短所を責めるのではなく、他の人にはない長所に目を向けて、ポジティブな言葉を掛けること。
- そしてミスが多く欠点も多い私達でも、組織として必要な存在だと声に出して伝えてること。
これだけで私達はかなり救われることが出来、ミスも少なくなり苦手な目の前の作業も頑張ってこなそう、って気になれます。
ミスが多いことやマルチタスクが苦手なことは、アナタ以上に本人が一番よくわかっています。改善出来ない絶望的な現実を突きつけられる度にいつも心を傷め、一人苦しんでいます。
助けて欲しいとも言えず、殻に閉じこもり一人苦しんでいます。どうかわかってください。
その代わりクリエイティブなことや得意なことであれば、アナタがどんなに優秀でも私達に勝てない、という野心みたいなものも同時に持ち合わせています。
でもそれは驕った考えではなく、その能力を発揮して皆で喜びを分かち合いたい、という純粋な気持ちからのもので、それが叶わないことにずっとストレスを感じています。
もし可能なら私達のポテンシャルを信じて、一回で良いので私達に得意分野を任せてみて下さい。
圧倒的なパフォーマンスと成果をアナタにお返しすることを約束致します。
ADHD まとめ
とってもとっても長い文面になってしまい、読むこと自体疲れたことと思います(笑)
このページを読んで下さった方々はADHDに関心があることは間違いないと思うのですが、ADHD持ちのダンから今日の記事を通してADHD持ちの方、ADHD持ちに困ってる方に向けて言いたいこととしては
- ADHDは生活に支障が出ない範囲なら、病気ではなく「ちょっと変わった個性」
- 能力や好き嫌いの偏りが大きいので、通知表でいうと3が少なく、1と5で殆どが占められる
- 苦手な分野で仕事したらポンコツ、でも得意分野で仕事したら簡単には負けない、むしろ無双
- 人に悪意を向ける程スペック高くないので、基本的には平和主義、いや徹底した個人主義
- ミスが多いのは仕様、治し方があったら教えて下さい、自分でもよくわかってません
- マルチタスク苦手なので、依頼する際は優先順位つけてからお願いします
- 24時間ワクワクすること探し
- 叱責されて苦しくなったら潔く環境を変えることも必要、ただし環境を作る努力はすること
こんな所でしょうか。これからもADHDという変わった個性と仲良く付き合っていく予定ですが、気づいたこと等あればまた追記していきたいと思います。
今回も最後までご覧頂きありがとうございました。
ADHDに悩むアナタを、今後も全力で応援させて頂きます。
ダン