大企業からベンチャーへの転職が失敗しがちな40代 3つの理由
誰もが知る大企業にいたのに、鼻息荒くベンチャー企業に転職していった同僚。
その後、SNSを開いてみると何だか前のめりな発言が多く
元気にやっているのかなぁと思いきや
数か月もするとSNSは殆ど更新されなくなり、なんだかちょっと心配…
よくある話の一つだなぁ、と思います。
多様性が叫ばれて久しい現代、大企業にい続けることだけが正解ではなく
自分のやりたい仕事やもっと社会性の高い仕事に就く等
様々な「別解」が存在している中で、
何故大企業→ベンチャー企業への転職は成功しにくいのか?
誤解を恐れずに言うと、殆ど失敗するのか。
ベンチャーで現在No.2として事業をぶん回し、
大企業から転職して成功している40代社員、
大企業から転職して1年も経たず辞めていった50代の社員
それなりに見てきたダンが語ります。
大企業に守られていたことに気づいてないよね?
大前提として、お互い不幸にならない為に「勘違いミドル」は採用で落とす
ベンチャー企業としてボチボチ名前が売れてくると、
大手企業からの転職志願者も求人を見て応募してきます。
基本的にはせっかくのご縁なので一度は会いたいと思っており、
余程リスキーではない限り面接するよう指導しています。
しかしながら現実があまりにも見えてない人は面接のみのご縁とさせて頂いてます。
理由はシンプルに「お互いが不幸になるから」で
この場合、どちらが良い悪いではなく「縁がなかった」以上でも以下でもないです。
え、忖度して喋ってるって?
じゃあちょっと、遠慮なく語っちゃいましょうか。
それは自分の実力ではなくて、会社の実力だったのだよ
大企業でやってきたことの自慢や実績並べを面接でされる方がいます。
自分を大きく見せたいのか、自分が優秀であることをアピールしたいのかはわかりませんが
こちらが面接で知りたいのは
「この人が入社したとして、仲間として一緒にやっていけるかどうか」の一点なんですよね。
役員面接等で、上記の状態になった時に
あなたの実績はわかりました。それで、これから名刺や肩書が変わっても同じ成果出せると思いますか?またその理由についてご教示願えますか?
と意地悪く聞くことがあります。
特に実績を誇らしげに語られる方は、聞いていて素晴らしいなと思う反面
会社のネームバリューや肩書、そして優秀な同僚に助けられていることに気づいていないことが多いです。
でも不思議なことに、そうやって聞くと殆どの方が「大丈夫です!」って言うんですよね。
個人的に言わせてもらうと
そういうとこだよ!
って感じです。
こちらがそう質問している意図を理解出来ない人だな、で大体サヨウナラ案件ですね。
こちらの質問の意図?
「その実績に本当に再現性あるの?会社と肩書のお陰って気づいている?」
って意味を物凄くマイルドに伝えてるんですよ。わざわざ言葉にして。
それに気づけない時点で思い上がってんな、って判断するだけの話です。
泥を啜る覚悟もないのにベンチャーに来るな。それが嫌なら会社に惨めにしがみつけ
転職をしたこともない人が、違う環境で同じように成果が出せると思ったら大間違いです。
大体そういう人程入社して成果が出ず辞めていくか、
打ちのめされてすっかり牙の抜けた虎状態になります。
いくら同じ職種であっても、会社を変わるということは積み上げたことをリセットすることと同義です。
前職の経験を活かして~、って言いますけどそんな簡単に活かせませんよ。
1からやり直すくらいの覚悟が出来ないなら、ベンチャー企業に転職するのは辞めた方がいいです。
今のまま大企業で守られながら、井の中の蛙で定年までしがみついた方がトータルで見て幸福だと思います。
権利ばっかり主張すんな。自分で拡大して自分で勝ち取れのカルチャーに馴染める?
管理職の経験があったので管理職の経験を~、もダメですね。
管理職の経験でどれだけのバリューが出せるんですか?
そうじゃなくて兵隊の一人に戻って最前線で戦うんですよ。
管理したいならまず兵隊の中で誰よりも結果出して、そこから兵隊を束ねる、が順番です。
さっきも言ったでしょう、過去の肩書や実績なんてウチでは何も関係なくなるって。
権利を主張したいならまずは成果という義務を果たしてからにしてくださいね。
アナタの為の椅子なんて用意してませんよ。椅子が欲しいなら椅子出せるだけの成果出してくださいね。
勝手に経営者のビジョンに共感して落胆してんじゃないよ。ベンチャー仕草だから。
ベンチャー経営者のビジョンや言葉が妙に気に入って入社される方もいますね。
ベンチャーが正論で成り立つ程キレイだと思った?随分世間知らずなんだね
経営陣がキレイごとを言ってるから仕事自体もキレイでキラキラしてると思った?
甘いねえ。甘い甘い。
キレイごとを本当にしようと努力して、実現するからベンチャーなんですよ。
しかもキレイごとを形にしようとしているわけだから、普通の仕事よりうんとハードルが高い。
99%の泥臭い仕事を真剣にやるから、1%のキラキラや理想が手に入るんですよ。
高い志とやってることは必ずしも一致しないんですよ。いや一致してるベンチャーなんてどれだけある?
言行不一致だって?それはすいません。
そうでもしないとやってられないくらい毎日大変なんだもん。
でもそれで不満持たれる程度の覚悟で入社されても困るんだけどなぁ。
綺麗ごと言ってる暇があったら、黙って手を動かして黒を白にする努力してくれる?
あれが気に食わない、それが気に食わない。
そんなのやってるこちらの方がアナタの100倍思ってるよ。
お願いだから理想をベラベラ語るヒマがあったら、
理想に近づくためにはどうすればいいか考えて手を動かしてくれるかな?
1を100に盛って語るのがベンチャー。だってハッタリが必要だもの。話半分の意味わかる?
新しい技術やサービスの見通しが立ったら
〇月までにリリース予定!
なんて出来もしないことを堂々と語っちゃうんですよ。
出来なかったらどうする?何言ってんの?
出来るためにどうするか考えて必死に努力するんじゃん。
やってもないのに何で無理って考えるの?まずやってから考えようよ。
失敗したら失敗した時考えようよ。
単純にキミ、仕事出来ないじゃん
鼻息荒くベンチャーで一旗揚げようと意気込んで来た温室育ち?のミドルに突き付けられる厳しい?現実ですね。
前職では前職では…って一体何してきたの?ウチで何も仕事出来ないじゃん
前職ではこうだった、こんな実績を上げてきた…うんうんわかるよ。
で、ウチではなんで成果出せないの?
なんで前職と同じ環境をウチがアナタに与えないといけないの?
キミがウチのやり方にアジャスト出来ると思ったから入社してきたんだよね?
結果、出てないじゃん。どうすんの?
本当に前職で成果出して来たの?虚偽じゃないよね?
自分のやれる仕事じゃない?
じゃあなんだったら出来るの?
あれが嫌これが嫌って子どもじゃないんだからさ、
黙って与えられた仕事で成果出してよ。
〇〇の仕事なら出来る?そんなの自分で勝手に作ってよ。
〇〇の仕事なら出来る?いやアナタに与えられてる仕事はそれじゃないよね?
やってもいいけど今の仕事と兼任でやってよ。そんなに潤沢に人手あるわけじゃないんだから。
いつやるのって?いや定時越えてからでしょ?自分がやりたいって言ったんだよね?
評論してる奴なんかウチには要らないの。お願いだから手動かして成果出してくれる?
あれが出来てないこれが出来てないって文句言うけどさ、それ入社前にわかってたことだよね?
それをも耐えて仕事やりたいからウチに来たんじゃないの?
この程度で悲鳴を上げられても困るんだけど。
これだったらウチじゃなくて大企業にいた方が良かったんじゃないの?
ちょっと過激に書きましたが、これくらいでビビってたら務まりません
ここまで過激なベンチャー企業、スタートアップは少ないけど、まだまだ世の中にはある
かなり過激に表現しましたが、これくらいのことを平然として言い放つようなベンチャー企業は
少数派とはいえまだまだあります。
ダンの会社は勿論全然違ってかなりホワイトな部類ですけどねっ!(汗)
また、世間体もあるので表面上過激なことは言わないだけで、腹の中では思っているベンチャー企業も含めると
かなりの数このようなメンタリティを持っているベンチャー企業が日本にはあると言えます。
ベンチャーと書いてブラック企業と読むという話は決して大げさではありません。
そもそも大手出身ってだけで軽くいけ好かない野郎だと思われてるよ
大手で好待遇な人間が辞めてベンチャーに来るってだけで、プロパーの社員は軽く面白くないのは事実です。
だってベンチャーの人間なんて99%大手に入れなかったコンプレックスを抱えているから。
言うならば王族の人がスラム街に行くくらい異様な光景で、端的に言って招かれざる客なんです、アナタは。
そんな人が大手にいた時のように振る舞い、どうのこうのとダメ出しをした挙句
仕事がプロパーの社員より出来なかったら、恰好のイジメのターゲットですよね。
つかえねーオッサンが来たなーと自分より一回りも違う小僧に陰で嗤われながら仕事、出来ますか?
郷に入っては郷に従えはベンチャーでこそ
アナタが大企業でどれだけの成果を出して、どれだけの肩書を持っていたとしても
ベンチャー企業に入ってしまえばキレイサッパリリセットされ、一からのスタートです。
そこでチンケなプライドすら捨てられないなら、ベンチャー企業に転職するという選択肢は捨てましょう。
でもそれすらかなぐり捨て、なりふり構わず仕事に打ち込むと
年不相応に泥臭く、アツい人だって言うことがプロパーの人間にも認めてもらえますよ。
仲間として認めて貰うと、大手にいた時以上に仲間意識や一体感を感じますよ。
ベンチャーの人間って恰好つけた人が大嫌いな代わりに、さらけ出せる人や泥臭い人にとても親近感を覚えます。
そういう人間臭い人が多いのはベンチャー企業の魅力かなぁ、とダンは思います。
ベンチャーへの転職を考えるならここは最低限抑えておこう
それでもベンチャー企業への転職が頭から離れない場合、ここは最低限抑えておくべき!のポイントをお伝えします。
20代、30代に混じって長時間労働する覚悟はある?体力は目に見えて衰えていくよ。
ベンチャー企業と切って離せないのがどうしても劣悪な労働環境でしょう。
ワークライフバランスを大切にしているベンチャー企業も増えてきているとはいえ、
会社が軌道に乗るまで、いわゆるスタートアップの状態ならば
長時間労働は避けて通れないことが殆どです。
というか、その状態で定時帰宅なんて悠長なこと言ってたら
それはベンチャーと言い張るただの中小零細企業の可能性大。
今の自分の年齢と体力、冷静に見つめ直して見てください。
毎日21時、22時までフルパワーで仕事する体力、ありますか?
今はあったとしても、5年後は?維持出来ますか?
年齢と共に少しずつ不健康になり、持病を抱える人も出てきますよね。
仮に持病があったとしたら、持病を抱えたまま長時間働けますか?
それでも成し遂げたい何かがない限り、一度立ち止まって考えた方がいいかもしれません。
お給料半分以下になってもやっていける?持ち家でないなら諦められる?ローン返せる?
ベンチャー企業の魅力の一つにSO(ストックオプション)がありますが、
SOを手にするまでの期間は大手程の給料はほぼ間違いなく得られません。
SOを得ることも出来ず、成長も出来ないただの中小企業で終わる可能性だって考えられます。
むしろそちらの方が高いです。
生活水準落とさないといけないですけど、やっていけますか?
持ち家のローン払っていけるだけの貯蓄ありますか?
持ち家がない場合、諦められますか?
このあたりは仕事の魅力以前に、食っていけるか否かの所ですので、シビアな銭勘定が必要でしょう。
一回り以上歳下の若造からの叱責に耐えられますか?
ベンチャー企業ともなるとトップや役員が20代~30代後半なんてことは珍しくないでしょう。
当然入社するアナタは彼らの部下になるわけですから、彼らの指示で仕事をするわけになります。
上手く仕事が出来ないと、そんな彼らからの叱責も想定されるわけですが
「この若造が生意気言いやがって!」と短気を起こさず素直に自分の非を認められますか?
また、それにこれから何十年と耐えていけますか?
それくらい笑って許せるだけの器がないと、難しいかもしれませんね。
サバンナに身一つで乗り込むようなもの、それがベンチャー
今回のまとめとなります。
ベンチャー企業で働くというのは毎日が刺激的ですが
会社として未熟な分、想定外のトラブルが毎日のように起こります。
ダンはクレーム対応はおろか訴訟含め何百件と現場の火消しをしてきたので
メンタルはかなり鍛えられた方ですが、それでも辛いなと思うことはあります。
でもそれも含めてベンチャーの醍醐味だと思っているので、上手く行かなくて当たり前だと思えるくらいの
心構えは最低限必要だと思います。
言うなれば、ベンチャーは身一つでサバンナに乗り込むようなものです。
大手企業は動物園。ライオンが檻の前でいくらアナタに向かっていきり立った所で、
大企業という檻がしっかりアナタを守ってくれるでしょう。
ベンチャー企業は檻のないサバンナのど真ん中で、しかも丸腰ですから
ある日突然、背後からライオンに襲い掛かられてもなんら不思議ではありません。
そんな筈じゃなかったと言い訳した所で、そんなん知らんがな、と食われてオシマイです。
そんなことは関係ないよ!全てを投げ出してでもやる価値があるんだ!失敗したって後悔しない!
と思えなければ、よくよく身の振りを考え直した方がいいかもしれませんね。
ところどころ脅すような表現となってしまい恐縮ですが、
これくらいは起きて当たり前くらいの気持ちでないと、その年齢でベンチャーに転職するのは難しいので。
いくら今の企業に不満があっても、アナタに特別なスキルや能力がない限り
アナタの年齢で今以上の待遇を得ることはほぼ不可能に近いです。
ベンチャー企業に行く動機が一発逆転狙いなのだとしたら絶対に辞めましょう。100%失敗します。
それだったら転職のエージェントに登録して面談して貰い、
アナタの希望に合う会社を探して貰った方が100倍いいでしょう。
もし、面談してみてもピンと来る求人がなかったり
会社にしがみつくことがどうしても苦しくなった場合は、
もう一度ベンチャーに飛び込む覚悟があるのかどうか、この記事を読んで自問自答してみてくださいね。
人生で一番脂の乗った時期に今後の人生を左右しかねない決断をしようとしているアナタを
心から応援させて頂きます。
ダン