日浦市郎 連盟提訴・マスク着用規定違反による反則負け

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日浦市郎 連盟提訴・マスク着用規定違反による反則負け

今回の記事でわかること

日浦市郎先生が起こした連盟に対する訴訟について

日浦市郎先生のマスク着用規定による反則負けについて

日浦市郎先生について

こんにちは、ダンです。

ヤフーニュース等にも掲載されているのでご存じの方も多いかと思いますが

プロ棋士である日浦市郎氏が対局中の鼻出しマスク着用について

再三の立会人による注意を受けたものの応じず、反則負けとなりました。

(追記)6月25日、日浦市郎先生が将棋連盟の処分は違法として東京地裁に約380万円の

損害賠償を求める訴えを起こしました。

将棋のことをあまり知らない人にも知れ渡ってしまった日浦市郎という名前。

日浦市郎先生とは一体どんな人なのか、

そしてマスク着用に関する反則負け、今回の訴訟について

今回は書いていきたいと思います。

目次

日浦市郎 将棋連盟を提訴

日浦市郎 将棋連盟を提訴

日浦市郎先生が将棋連盟に対し

下したマスク着用規定違反に対する反則負け

および3か月の出場停止について

の処分は、規定の中で具体的な着用方法が明記されておらず違法であると言う主張で

将棋連盟に対し、約380万円の損害賠償を求め東京地裁に提訴しました。

こちらでは日浦市郎先生の主張がご自身の声で語られています。

マスクをして12時間将棋を指すことが辛く、我慢の限界

日浦先生は2023年6月現在で57歳と比較的高齢で

鼻までマスクで覆った状態で、12時間近く対局をしなければならないことが大変体力的にも辛く

またそれを強要されることについての我慢の限界が来ていた、ということが言い分です。

弁護士の主張は「反則負け処分の違法性を問う」

この裁判の中で、弁護士の方の言い分としては

連盟による日浦市郎先生の反則負け処分の違法性を問う

と明言されている為、今回の裁判の焦点としては

将棋連盟が日浦先生に下した処分内容が公益性の範囲内であったか否か

になるでしょう。

ダン

ダンが指摘した通り、臨時対局規定にはマスク着用とは書かれていたけど、マスクで鼻を覆うことまでは書かれていなかったんだ。それが裁量権の逸脱と言うのが言い分ですね。

ちなみにこの弁護士である桜井康統という方は、マスク着用に対し強い疑問を持っている様子が

SNSの発言等からも伺い知れますので、日浦先生もそのような方をあえて選んだと考えるのが妥当でしょうか。

日浦市郎 鼻出しマスクによる反則負け経緯(2/12時点)

反則負けはいずれも立会人からマスク着用に関する注意に従わなかったことによるもの

2月12日時点での反則負けは3対局連続という形になります。

一回目は1月10日、C級1組順位戦で平藤真吾先生との対局時。

二回目は2月1日、棋王戦予選で三枚堂達也先生との対局時。

そして三回目が2月7日、C級1組順位戦で村田顕弘先生との対局時。

ちなみに反則負けの際は立会人が少なくとも2回以上

マスクの着用について注意をしたものの、

日浦市郎先生がそれに応じなかったことにより発生した事象で

佐藤天彦先生のように一発レッド案件ではなく

イエローカードが積み重なって…と言うのが理由です。

個人の価値観と連盟の価値観がすれ違うことはあり得ること

マスクの着用については、コロナウィルスの感染拡大を防止するという観点で

日本という国全体で早い時期から取り組み始めたものではありますが

マスク着用は感染防止に効果がない

コロナウイルスなんて風邪だ

と言う意見も決して小さい声ではなく

あちこちから聞こえていたのも事実です。

鼻を出した状態で、日浦市郎先生がマスクを着用したことについては

注意されたにも関わらず、従わなかったことなどを勘案しても

「対局時にマスクを着用することに納得していない」

と捉えて間違いないでしょう。

日浦市郎先生の考え方自体は別に否定されるものでもなく、

尊重されてしかるべきだと思います。

そして同様に、棋士の安全を守り対局を成立させる

為にマスクの着用を義務付けるという日本将棋連盟の判断も

決して大きく間違っているとは思いません。

所属している団体のルールは守るよう努めるのがプロ

しかしながら、日浦市郎先生が所属している日本将棋連盟では

対局時には原則マスクの着用を義務付けることを明記しており

対局時には立会人(スポーツでいう審判、レフェリー)の方が

鼻をマスクで隠すよう数度に渡り促しているのですから

連盟に所属している以上、従う必要があるのがプロ棋士たる日浦市郎先生の義務です

勿論それを拒む自由も日浦市郎先生には認められているのですが

拒むのであれば

連盟から籍を外したり、対局そのものを棄権すること

が筋でしょう。

所属している組織のルールが気に食わないけどいさせて欲しい、って

公の場で会社批判しながら会社から給料を貰うようなものです。

道理が通りませんよね。

もっとダメなのは、それについていきなり訴訟を匂わせていること

この件で一番個人的に気に食わないのは、

マスク着用が不適切だったことに対する反則負けが

不服だとして訴訟をすると日浦市郎先生が明言されていること

に尽きます。(※6月25日、実際に提訴)

先述の通り、考え方が気に食わないという日浦市郎先生の価値観は尊重されるべきものです。

しかし、だから連盟にルールを曲げてまで自分の主張を認めろというのは

あまりに自分勝手で独りよがりなやり口で、おおよそ大人がやることではありません。

本当に気に食わないなら一旦はルールに従った上で、

マスク着用が何故効果がないのか

自由制にするべき合理的な理由

等を正しい形で発信し、改正に向け建設的に動いていくのが大人のやり方でしょう。

ダン

ちなみに佐藤天彦先生は提訴する前の段階で連盟に不服申し立てをしたよ?結果却下されてしまったけど、納得いかないならこのようなプロセスを経てから訴訟に踏み切るのが大人のやり方なんじゃないの?とは思います。

一方的に自分の主張を押し付け、受け入れられなかったから裁判。

おおよそ過去に溢れる文才で人を魅了した人がやることではありません。

日浦市郎先生は羽生善治先生のかつてのライバルとして大変尊敬していますが、

この一点に於いては極めて稚拙な論理であり、軽蔑に値する行動と考えております。

加えて日浦市郎先生は2021年8月にご自身も新型コロナウイルスに感染されており

当事者としてのこの行動はやはり褒められたものではないでしょう。

マスクの着用方法まで明文化していなかった協会にも責任がない訳ではない

ただし、日浦市郎先生の言い分もほんの少し共感できる部分はあります。

それは予めマスクの着用について明文化されていなかったということ。

少し語弊があるので補足すると

対局時は原則マスクを着用することを

ルールとして明文化しているのですが

マスクの着用方法についてまで細かく明文化していなかった点については

連盟の過失であるとも考えられます。

不織布マスクで鼻と口を覆うこと

顎マスク、鼻マスクはNGとする

と一文加えていれば

日浦市郎先生が抗弁する余地はなかったと言えるでしょう。

また、マスク不着用に関するペナルティについて反則負けとしてしまったことも個人的には疑問です。

何故なら将棋の勝ち負けは盤面上で行うのが鉄則だから。

マスクを着用しなかったことについては別のペナルティ(罰金)等で対応し

あくまで盤面での駆け引きで白黒つけるのが棋士を束ねる協会の本懐ではないでしょうか。

もっとも、相手がマスクを着用しないことについて

自分はマスクしてるのに何故だ!と

反対側の棋士が許容しない場合は対局が成り立たない、となると

許容しない棋士が今度は非難される可能性がある訳で

この辺りの匙加減は正直な所難しいです。

ただどんな形であれ、マスクを着用しないことと将棋の実力で白黒つけることには何の因果関係もない為、

マスクを着用しなかったとしても対局を成立させる方法を連盟には考えて欲しかったです。

マスクをしない人は2m以上将棋盤から離れて

指す時だけマスクして近づいて指す、とか。

ただし金銭が発生するような状況で個人の主張を全面的には認められない

連盟の過失が一定あったであろうことは先述の通りですが

やはり大枠で考えて、マスク着用に関する反則負け規定に関しては

棋士の安全を守り、対局を成立させ棋士の生活を守ること

という観点から間違っていないと考えています。

間もなくマスクの着用については個人の判断になりうる、という方向性も国として出そうとしているようで

ある意味日浦市郎先生も、コロナウイルスの感染拡大に伴う非日常の生活を強いられたことによる被害者の一人と認識しています。

一日も早くコロナウイルスの感染拡大が収束し、

以前のように盤面を挟んで相手の息遣いを感じながら、

猛り狂うような闘志を胸に秘め

一手一手魂を吹き込むように

美しい棋譜を描いてくような対局が戻ることを

将棋ファンとしては願ってやみません。

2/13 追記 懲戒処分決定

日浦市郎先生の3度にわたる反則負けについて、将棋連盟が懲戒処分を科すことを発表しました。

日浦八段の処分について

記事を読む限りだと、ダンが考えていたものと概ね沿うようなものであり、

3か月の対局禁止という措置は少し重い気もしますが

妥当な判断だと感じております。

ただしここへ来て国がマスクの着用に関する規定を緩和させようという動きもあるため

今後着用に関するルールもそれに沿って緩和される可能性があります。

日浦市郎 について

~プロ棋士になるまで

日浦市郎先生は1966年に北海道で生まれます。

1976年に小学生将棋名人戦で準優勝すると、

1980年、中学3年生の時に奨励会に入会します。

そこからわずか4年後の1984年に18歳で四段に昇段(プロ棋士)

になったことを考えると、奨励会時代は

かなり順調かつ棋力があったことが伺えます。

師匠は安恵照剛先生で、

弟弟子には

とそうそうたる顔ぶれがいます。

プロ入り後

プロ入り後は1989年の新人王戦で羽生善治先生を準々決勝で破り棋戦優勝の経験があります。

一時期羽生善治先生に対して勝率が高かった(3連勝)ことから、

羽生善治先生を、ヘビである「ハブ」にもじって

天敵の「マングース」と呼ばれていました。

順位戦は主にC級1組を主戦場とし、タイトル戦線に赴いていくような気鋭の若手棋士相手に

良き壁となって君臨し続けます。

棋風は本格的な居飛車矢倉派

日浦市郎先生の棋風は居飛車の矢倉を採用することが多く、純文学のような美しさを感じますね。

しかし一旦駒がぶつかると、激しい打ち合いに持ち込むことが多く

そのギャップも魅力の一つだと思います。

粘り強く最後まで攻めることを良しとせず、攻めが続かないとなると

早めに投了する潔さもまた日浦市郎先生の魅力の一つだと思います。

隠れた才能!?文筆家の一面も

若かりし頃は将棋世界週刊将棋等にユーモア溢れる記事を寄稿していた日浦市郎先生。

盤上での表現だけでなく、言語化し人に伝えるという能力の高さも伺い知れますね。

また、実際に幾つか本も出版されており

居飛車穴熊や横歩取りに関する著書もありますが、

ホットなのは先日の王将戦第四局で指された角換わり腰掛銀に関するものでしょう。

角換わり腰掛け銀最前線 いま、プロが注目する三つの指し方 (マイナビ将棋BOOKS) [ 日浦市郎 ]
by カエレバ

タイトル戦でも採用されるような戦法を早くから活字として起こし

世に出しているというのは先見の明があると感じずにはいられません。

まとめ

今回の記事でお伝えしたかったこと

日浦市郎先生のマスク着用に対する考え方は尊重するが、連盟と話し合いもせずに提訴したやり方は個人的に共感出来ない

しかし新型コロナウイルスの感染拡大という状況下であり、実際に感染もされた日浦市郎先生も被害者の一人であることは忘れてはならない

盤上で魅せられる日浦市郎先生が戻ってくることを期待

日浦市郎先生はじめ全ての棋士のこれからの更なるご活躍を強く願っています。

ダン

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