藤井聡太竜王名人 八冠への道
・藤井聡太竜王名人の直近の対局予定(9月、10月、タイトル戦)
・藤井聡太竜王名人のこれまでの歩みと記録
・藤井聡太竜王名人のエピソード
藤井聡太と言う名前を、将棋ファンならず今や多くの日本人はご存じでしょう。
2024年現在、将棋界に8つ存在するタイトルのうち8つ全て獲得している
若き将棋界の第一人者。
2023年度には、6冠の防衛に加え、新たに2つのタイトルを奪取し
10月11日、遂に8冠(タイトルを全て独占)を達成しました。
今回はそんな藤井聡太竜王の直近の対局予定と
これまでのエピソード等をご紹介いたします。
どうぞ最後までごゆっくりと御覧ください。
藤井聡太 直近の対局予定と八冠の行方
藤井聡太竜王名人の直近の対局予定
藤井聡太先生の直近の対局予定です。
史上初の八冠達成だけでなく、防衛がかかる竜王戦も間もなくスタートします。
9/27 VS 永瀬拓矢王座 王座戦 第三局 @名古屋マリオットホテルアソシア →〇
10/6,7 VS 伊藤匠五段 竜王戦 第一局 @セルリアンタワー能楽堂
10/11 VS 永瀬拓矢王座 王座戦 第四局 @ウエスティン都ホテル京都
10/17,18 VS 伊藤匠五段 竜王戦 第二局 @総本山仁和寺
10/25,26 VS 伊藤匠五段 竜王戦 第三局 @旧安川邸
また、10/21にはJT杯準決勝も予定されており
相手は永瀬拓矢王座となっています。
八冠誕生への道
藤井聡太ファンならず、将棋ファンが現在注目しているものの中で大きなものと言えば
前人未到の八冠達成でしょう。
将棋のタイトルには現在8つのタイトルが存在し、
獲得賞金等に応じてそのタイトルの中でも序列があります。
2023年10月11日、現在そのタイトル8つのうち残る王座を永瀬拓矢先生から奪取し
前人未到の八冠達成となりました。
ちなみに王座戦で残り2局とも敗北する確率は、現在のレーティングをもとに計算すると6%…
つまり約94%の確率で八冠達成の所まで来ており見事にそれを達成した訳ですね…
恐ろしいことだ…
藤井聡太の強さを詰将棋等から考察
詰将棋5連覇!読みの速さは怪物級
藤井竜王の強さを語る上で欠かせないのが、読みの速さでしょう。
読みの速さとは、
という棋士にとって大切な能力のこと。
数学で例えると計算速度になる訳ですが、
藤井聡太先生はその読みの速さ、正確さを競う詰将棋というコンテストで
なんと小学校6年生にして優勝、更に現在まで5連覇中(コロナにて途中中断)
と圧巻の成績をおさめています。
この詰将棋選手権にはアマチュアだけでなく、実際のプロ棋士も多数参戦しての結果ですから
小学六年生にして、プロ顔負けの読みの速さを持っていたことになります。
ちなみに、読みの速さが最も発揮される局面は
お互い時間をほぼ使い切り、短時間で次の手を指さないといけない局面。
一手の間違いが致命傷になりかねない、お互いが綱渡りのような局面で
読みが速く、そして正確な方が終盤では圧倒的に有利だと言われています。
そしてその終盤力という点において、藤井聡太先生は他を圧倒する力を持っているのです。
例えるならば、フルマラソンをほぼ走り終え
ラスト100m勝負、という段階で
スタミナ満点のウサイン・ボルトが相手だったら…勝ち目ありませんよね(笑)
最終盤の局面で、多くの棋士が突き付けられる絶望感はまさにそのようなものでしょう。
AI研究による深い序盤・中盤の研究
最終盤になればなるほど圧倒的に差別化出来る読みの速さだけではありません。
藤井聡太先生は将棋を始めた早い時期から、AIを用いた研究を取り入れています。
数十年前の将棋ソフトは、まだまだ性能が高くなく
アマチュアの人でも一番難しい難易度に勝ってしまう程のものでした。
それが2010年を過ぎたあたりから
技術の進歩と共にどんどん将棋ソフトの性能が上がり、プロ棋士と大差ないレベルまで発展します。
そして、2017年にAI(将棋ソフト)が完全に人間を上回ったと言われています。
※当時名人だった佐藤天彦先生をAIが破ったことによる。
藤井竜王がまだプロになる前の2016年頃から、千田翔太先生の手ほどきにより
積極的にこのAI研究を取り入れたことで
AIに対する抵抗感も少なく、すんなり馴染めた背景は見逃せないでしょう。
AIによる研究が一般的になってきた中で、AIの活用方法が課題として挙げられてきた中
藤井聡太先生は、2021年頃からディープラーニングを用いたAIでの勉強を始めたと言われています。
従来のAIを用いた研究では棋士が必要となる情報をコンピューターにインプットし、そこから吐き出された答えを基に
指し手に活かしていくのが基本でしたが
藤井聡太先生は、AIが評価する局面の有利・不利を正確に理解し、繰り返すことで
苦手だった序盤・中盤を克服し、むしろ
に進化したと言われています。
中盤でリードを奪えるようになったのはディープラーニングの影響が大きいと言えるでしょう。
特に、形勢判断(攻めるべきか?一旦様子を見るべきか?等)を正確に行えるようになったことは
中盤での指し手がAIの推奨手との一致率が物語っています(他の棋士よりも明確に一致率が高い)
ソフトの開発者の方の話では形勢判断のツールとしてディープラーニングを使うことはとても珍しく、あまり例がないとのこと。
使い方もやはりユニークなのかもしれません。
また、これまでは相手が描く序・中盤に付き合い、付いていって終盤の瞬発力でひっくり返す展開が多く見られましたが、
現在はむしろ序盤・中盤を創作する側に回っている印象さえ受けます。
自分が創作する対局に相手を引きずり込み、小さく奪ったリードを着実に拡げて押し切る。
横綱相撲ならぬ横綱将棋が随分と板についたような印象を受けます。
思わぬ副産物!?PCに詳しい藤井聡太竜王名人
ディープラーニングをする上で必要になるのが、超高性能のPCです。
もともとPCには精通しており、自作でPCを組み立てることもあった藤井聡太先生。
現在は、ディープラーニングを更に効率的に行えるよう
CPUを制作するAMD社が超高性能CPUが搭載されたPCを提供されています。
ちなみに同じくAIで研究する渡辺明名人も、100万円以上するPCに投資しているようです。
数年先のプロ棋士は、超高性能PCを活用したAI研究ありきの将棋になっていっても
全く不思議ではありませんよね。
その場合のPC購入費用を補助するなど、そういう仕組みが出来るといいなぁ…
ポンと出せないよね、何百万も…
使用しているソフトは、水匠とdlshogiのようです。
持ち時間の配分が上手い
プロデビューした頃~タイトル戦までの藤井聡太先生は、どちらかと言うと序盤・中盤でしっかりと時間を使い
終盤に時間に追われても、得意の読みの速さで相手をねじ伏せる
戦い方がよく見られましたが
先述した序盤・中盤の質を向上させたことで
むしろ対局相手よりも時間を余すことが多くなりました。
得意の終盤に、更に時間的な余裕を持たせる。
それも全て序・中盤の質を向上させ、自分の世界観に相手を引きずり込むことが
出来るからこそなせる技ですよね。
藤井聡太竜王名人に勝つにはどうしたらいい?
序・中盤で自分の世界観に引きずり込んでリードを奪い、ブッチギリの終盤力で完膚なきまでに
相手玉を仕留める。
藤井聡太竜王に勝つのは無理ゲーじゃん…
と一般的には思いますよね。
事実、8割以上の勝率を維持しているのですから
藤井聡太先生から白星を奪うのは並大抵のことではないのですが
藤井聡太先生に勝つ理論は確かに存在します。
序盤・中盤で藤井竜王から大きなリードを奪う
藤井竜王より時間でもリードした上で終盤戦に入る
負けない手を指し続ける
いや、口で言うのは簡単だけど誰も出来ねーよ!って話ですよね…
その通りで、理屈ではわかっていても実行出来ないから藤井竜王が圧倒的な存在たりえているんですよね。
しかし、それを打開するヒントみたいなものは確かにあるわけです。
事実、藤井竜王と勝率がよく、公式戦では1勝3敗と勝ち越している
地球代表フカーラさんこと深浦康市先生は、過去のインタビューでこんなことを仰っています。
と言うことを仰っていたので、
逆にAIだからこそパターン化されており、指し手が読めてしまう部分もあるのでしょう。
事実同じくAIで研究をされている豊島将之先生との対局を見ると
40~50手まで非常に速いペースで指していることがあります。
断言は出来ませんが、
お互い似たような研究をしている為、相手の指し手が事前研究の範囲での応酬になっている
と考えると自然な気がします。定跡から外れた場合や予想外の一手でないと通常は長考しませんから。
そんな訳で、理論上藤井聡太先生に勝つ?為には
藤井聡太先生の指す手が全てわかるくらい研究の量を積む
藤井聡太先生の研究にない手を先に指し、一瞬のスキを見つけてリードを奪う
リード後、逆転されないよう最善手率ほぼ100%で終局まで持ち込む
ことがアウトプットとして必要だと考えられます。
…いや無理だろこれ!と思いましたが
これを現実にやってのけた男がただ一人いました。
そう。
先代の大天才、我らの羽生善治先生です。
先日、藤井聡太先生の4勝2敗で終わった王将戦ですが
藤井聡太先生に土をつけた2局は、いずれも羽生善治先生がリスクを負って攻め倒したもので
敗れてしまったものの、第五局も中盤では一時逆転して評価値上リードを奪いました。
藤井聡太先生の研究外の局面に誘い込み、徹底的にAIが示す最善手を指し続けると
肉薄出来ることまではこれで証明された形になります。
藤井聡太先生にタイトル戦で初めて土をつける棋士は誰なのか。
やはり注目ですね。
師匠は藤井聡太先生の将棋を「人間の将棋」と評する
そんなAI学習による将棋の申し子のように語られることの多い藤井聡太先生ですが、
一番身近で藤井竜王を見守ってこられた、師匠の杉本昌隆先生は
藤井聡太先生の将棋を人間が指す将棋と評されています。
AIという力を借りて指しているように見えるが、AIと上手く共存し自分の意思で指している。
決してソフトの受け売りのような指し回しではないことを語っておられました。
一番近くで長年に渡り見守って来られた師匠が感じられていることですから
かなり信憑性は高いものと思われます。
テレビに出る時のポンコツぶりはご愛敬
藤井聡太の経歴~羽生善治からの天才の系譜~
生い立ち~プロになるまで
藤井聡太竜王は2002年の7月19日に、愛知県の瀬戸市で生まれました。
将棋を始められたのは5歳の夏頃で、母方の祖父より手ほどきを受けたことにより始まります。
そこから秋になると既に祖父を圧倒し、歯が立たない程に成長。
冬には瀬戸市にある将棋教室に通うことになりました。
ここで教室の席次である先生から、所司和晴先生の「駒落ち定跡」という、500ページにものぼる分厚い本を渡された藤井聡太少年。
読み書きがまだおぼつかない状態にも関わらず符号を頼りに読み進め、
なんと1年後には完璧に理解・記憶することに成功致します。
ちなみに所司和晴先生は、渡辺明名人の師匠でもあります。
ライバルの師匠の知識が幼き頃の藤井聡太少年を強くさせ、藤井竜王の強さのバックボーンになっていると思うと
ちょっと不思議な縁を感じますね。
そこからメキメキ力をつけ、小学1年生の終わりに東海研修会(奨励会の手前)に入会致します。
そこから約2年後の2012年、小学4年生の9月に奨励会に入会。
11月に5級に昇級し、翌2013年5月に4級、6月に3級、9月に2級と順調にステップアップ。
そして2014年の3月に1級、6月に初段(史上最年少)、
2015年2月に2段、2016年10月に3段に昇段し、
13歳2か月での3段昇段は史上最年少記録となりました。
そして2016年の9月、勝利し見事に4段昇段(プロ)を決めます。
14歳2か月でのプロ棋士は最年少記録で、これまで保持していた
ひふみんの愛称で親しまれる加藤一二三先生(14歳7か月)の記録を大幅に更新する記録となりました。
プロ入り後~タイトル戦挑戦まで
プロ入り後は、2016年12月のデビュー戦で中学生棋士の先輩・加藤一二三先生からの勝利を皮切りに
プロ入り後佐々木勇気先生に負けるまで、連勝記録を更新する29連勝を上げます。
順位戦ではC2クラスを全勝で突破し、規定により史上初の中学生5段とC1クラス昇級を決めると
そこから16日後、2月17日の朝日杯オープン戦にて
時の名人佐藤天彦先生、羽生善治先生、A級在籍の広瀬章人先生を次々に破り優勝。
一般棋戦優勝・全棋士参加棋戦優勝・六段昇段の最年少記録を更新します。
藤井聡太五段を名乗った期間はたったの16日。2週間ちょっとで昇段って…(笑)
そこからも更に対局を重ね約3か月の5月18日、竜王戦トーナメント5組から4組への昇級を決め、
竜王戦連続昇級規定により昇段、15歳9か月の最年少記録で藤井七段となります。
藤井六段を名乗った期間はたったの90日。マンガでもこんな話書けませんよね(笑)
同年10月の新人王戦では叡王戦でも対戦した出口若武先生(当時三段)と対戦して勝利し、
新人王戦最年少記録も31年ぶりに更新します。
更に年が明けた2019年2月、前年度優勝した朝日杯を連覇し
一般棋戦の連覇最年少記録(16歳6か月)の更新にも成功。
ただし順位戦ではC1組にて近藤誠也先生に敗れたことで、
9勝1敗で藤井聡太先生はじめ4名が同じ星数で並ぶことに。
前年昇級したことでもっとも順位が下だったため、頭ハネ(サッカーの得失点差みたいなもの)にて昇級を逃しました。
ちなみにその3名の中には師匠の杉本昌隆先生もおり、師匠は昇級を決めました。
空気読んでや、師匠!
翌2019年度はC1組を全勝で突破し、B2組への昇級を決めるのですが
タイトル戦は途中での敗退が続き、残念ながらタイトル戦挑戦権を得ることは出来ませんでした。
特に惜しかったのは王将戦の、広瀬章人先生との事実上の挑戦者決定戦です。
藤井先生が勝勢になったものの、珍しく頓死してしまい逆転負け。
非常に悔しい敗北と共に、最年少タイトルの可能性の芽が徐々に小さくなっていきました…
しかし最後の可能性となった棋聖戦での挑戦者決定戦で、当時の永瀬拓矢二冠に勝利し
見事棋聖戦挑戦者の権利を得ることに成功するのです。
史上最年少タイトル獲得、現在まで
永瀬先生との対局が2020年の6月4日、棋聖戦第一局が6月8日ということで
最年少タイトル戦出場記録も更新致します。(17歳10か月)
そして棋聖戦にて渡辺明先生を3勝1敗で破り、屋敷伸之先生の持つ最年少タイトル記録を更新し
17歳11か月でのタイトルホルダーとなります。
また並行していた王位戦も、6月24日に再び永瀬先生を破り挑戦者の権利を得ると
前年初めてタイトルを獲得した木村一基先生を4-0のストレートで破り、
棋聖と合わせて王位のタイトルも獲得。
18歳1か月で、史上最年少王位、史上最年少八段昇段、史上最年少二冠を達成しました。
この他に
銀河戦での史上最年少優勝
朝日杯で3度目の優勝
順位戦B2組全勝にてB1昇級
等も記録しています。
2021年度
前年度獲得した棋聖戦では初めてのタイトル防衛戦となりますが、
挑戦者の渡辺明先生を3-0で退け防衛に成功。
これにより18歳11か月での史上最年少九段昇段となります。
王位戦では豊島将之先生とのタイトル戦でしたが
4勝1敗でこちらも防衛に成功。
並行して行われていた叡王戦でも斎藤慎太郎先生を破って挑戦者になると
叡王である豊島将之先生を3-2で破り叡王のタイトルを奪取。
19歳1か月で史上最年少三冠となります。
そして竜王戦では挑戦者決定戦で永瀬先生を破り挑戦者となると
竜王の豊島先生を4-0で破り竜王のタイトルを奪取。
19歳3か月で史上最年少四冠となります。
年明けの王将戦、名人・王将・棋王と3冠を持つ渡辺明先生と
竜王・叡王・棋聖・王位の4冠を持つ藤井竜王との「7冠ダービー」は
4-0で藤井竜王が渡辺明王将を破り、王将のタイトルを奪取。
19歳6か月で史上最年少五冠となります。
順位戦はB1を10勝2敗で切り抜け、遂に念願のA級昇級を決めました。
2022年度
叡王戦では出口若武先生と初めて後輩棋士とのタイトル戦となり、3-0にて防衛。
史上初の叡王戦防衛となりました。
永瀬先生との棋聖戦は3-1で防衛。
豊島先生との王位戦は4-1で防衛。
広瀬章人先生との竜王戦は、苦しんだものの4-2で防衛し、史上最年少の竜王戦初防衛記録となります。
王将戦は先輩レジェンド・羽生善治先生との闘い。
苦しみましたが4-2で防衛し、史上最年少の王将戦初防衛記録となります。
棋王戦は途中佐藤天彦先生に敗れたものの、レギュレーションにより命拾いし挑戦者として渡辺明先生と対峙します。
3-1で渡辺明先生を破り、棋王を奪取すると共に
羽生善治先生以来の六冠、20歳8か月の史上最年少記録を樹立します。
順位戦は念願のA級で、菅井竜也先生、永瀬拓矢先生に敗れたものの7勝2敗となり
名人挑戦を懸けてプレーオフにて広瀬章人先生と対峙し、勝利。
史上最年少名人の権利を経て、名人である渡辺明先生に挑みます。
また、
主要一般棋戦(NHK杯、銀河戦、朝日杯、JT杯)を全て制覇
先手番歴代最多連勝(29連勝)
を達成するなど
驚異的な成果を出した2022年度でした。
藤井聡太のエピソードについて
師匠の初めての指導は「クリームソーダの飲み方」
藤井聡太先生が奨励会試験を受ける際、杉本昌隆先生に師匠になって貰おうと
お母さまと3人で愛知で知らない人はいない、コメダ珈琲に行った時のこと。
奨励会に入会したいので師匠になって欲しい旨を承諾した杉本先生は
藤井聡太先生が頼んだクリームソーダのアイスをソーダに沈めようとする様子を見て
注意しようとするお母さまを制し
と指導したそうです。
藤井聡太にクリームソーダ(聡太)?の指導。なんだかほほえましいですね。
負けず嫌いは筋金入り!?
非常に穏やかに見える藤井聡太先生ですが、
幼少期の頃から負けず嫌いは大変なものでした。
永世名人である谷川浩司先生との指導対局で、
飛車角落ちというハンデ、かつ谷川玉が入玉という優勢の中
時間が迫っていたこともあり、谷川先生の優しさで
「引き分けにしようか」
と提案した所、若き藤井聡太先生は将棋盤に突っ伏すようにして号泣します。
結局お母さまが静かに藤井竜王を抱きかかえ、その場から離れるのですが
その後も小学生の大会で伊藤匠先生に負け、泣き顔で写真に納まっているなど
随所で負けず嫌いエピソードを耳にする藤井聡太先生。
プロ入り後も、悪手と思われる手を指してしまった後に
自分の膝を叩くような仕草をするなど
勝利への執着は相当なものがあると思われます。
しかし棋士として大成する為に負けず嫌いであることは重要な要素であることは
多くの方が口を揃えて仰っています。
藤井聡太先生の負けず嫌いが、なるべくして今の地位を築き上げたのかもしれませんね。
天才を育む!?モンテッソーリ教育
そんな藤井竜王が幼少期に受けた教育と言うのが
モンテッソーリ教育と言われています。
モンテッソーリ教育は、イタリアのマリア・モンテッソーリが考案した教育方法で
子供は自らを成長させ、発達させる力を持っている
と言う考え方が根幹にあります。
目的は
「自立し責任感を持ち、他人への思いやりがあって生涯学び続ける人間を育むこと」
となっており、藤井聡太先生のふるまいを見ても、
モンテッソーリ教育が藤井聡太先生に与えた影響は
決して小さくないなと感じますね。
またこの時に大事になるのが親(大人)の役割で、不必要に干渉したり価値観を押し付けたりせず
子供が興味あるものを辛抱強く見守ったり、支援することが大切であるとのこと。
若かりし藤井聡太先生が負けて号泣している際に、周りに迷惑だから静かにしなさい!と注意したりせず
気の済むまで藤井聡太先生を泣かせて、静かにその場から離れ一人悔しい感情と向き合わせた
藤井聡太先生のご両親は、もしかしたら藤井聡太先生以上に立派なのかもしれません。
ちなみにモンテッソーリ教育は世界中でも行われており
Meta(旧Facebook)のマークザッカーバーグ氏
Amazonの創業者ジェフ・ペゾス氏
オバマ元アメリカ大統領
など
多くの著名人がモンテッソーリ教育を受けたと言われています。
竜王名人も歩けば水路に落ちる!?
幼き日の藤井聡太先生。
将棋のことについて真剣に考え事をしていて、周りがよく見えていらっしゃらなかったのでしょう。
気づいたら水路に落ちていた…ということです。
この類の話、笑い話になりがちなんですが実は天才あるあるだったりするんですよね。
周りが見えなくなるくらい集中力を研ぎ澄ませること自体、凡人には出来ませんから。
ご無事だったことが何よりです。将棋が大好きなのはわかりますがほどほどに…
学業への考え方が大変ユニーク!
2021年1月に高校を中退したことで話題になった藤井聡太先生。
あと2か月通えば卒業出来るにも関わらず
「将棋に専念したいから」という理由で中退しました。
たった2か月という私のような凡人の感覚と
この2か月で自分の将来が決まるかもしれない、と思われた可能性のある藤井聡太先生。
局面判断はAI学習により我々凡人の遥か上を行かれているのかもしれません。
その他にも
たった数分で理解出来るような内容を何故何十分もかけて授業でやるんだろう
宿題をする意味がよくわからない為先生と30分宿題の意義について議論
と、素人では思いつかない一手で我々の常識という概念を寄せにかかる藤井聡太先生。
宿題の意義については先生を困らせたとも語っており
詰将棋日本一の生徒からの光速の寄せは、さぞ迫力満点だったことでしょう。
また、
実は美術が苦手な為画伯説や
俊足で中学時代は50m6秒8(卓球の張本智和さんより速かった)
など実にユニークな学生時代を送られていたようです。
特に美術については、
とインタビューで語られています。
藤井聡太先生が通われていた中学・高校は名古屋大学教育学部附属中学・高校で、
東海圏では「メイダイフ」と呼ばれ難関進学校の一つです。
学業では英語が苦手で
数学と世界史が得意だったと語る藤井聡太先生。
学校ではごく普通の中学・高校生活を送られていたようで
周囲も藤井聡太先生がプロ棋士であることを特別意識せず、
仲間の一人として藤井聡太先生に接していらっしゃったようです。
鉄道大好き!
将棋に負けないくらい鉄道好きで知られる藤井聡太先生。
鉄道好きにも色々ありますが、大別すると藤井聡太先生は
乗り鉄(電車に乗るのが好きな鉄道好き)に分類されるようです。
タイトル戦やイベント等で移動する際電車に乗っては、
自然豊かな景色を眺めるなどしてぼーっとしているのが多いと言う藤井竜王。
過去にはZIPのイベントで鉄道模型をプレゼントされ喜んだ表情を見せたり
唯一芸能人で知っているというタモリさんと鉄道トークをして盛り上がったり
ABEMA師弟トーナメントの企画で師匠と鉄道の運転手体験をしてみたり
鉄道に関するエピソードは事欠きません。
永瀬拓矢先生とはVSをするパートナー
対局することも多い永瀬拓矢先生とは、定期的にVS(研究)をするパートナー関係となっています。
その研究が非常にストイックで、師匠の談話をもとに紹介すると
研究に誘ったのは永瀬先生
朝10時くらいからスタートし、1局。昼を挟んで2局。終わるのは夜8時頃。その後夕食、夕食中も会話は将棋
将棋以外の雑談はほぼしない
お手洗い以外は基本席を立たず将棋に没頭
師匠が気を利かせてお弁当を買ってくるも感想戦に没頭。冷めちゃうよと言うとようやく手を付ける
いやぁ、軍曹と呼ばれる永瀬先生だけあってストイックな研究になるとは思ってましたがここまでとは…(笑)
ただし、藤井聡太先生もそれくらいストイックに将棋に打ち込むことが苦ではなさそうなので
なんだかんだ良い関係なんだと感じます。
藤井聡太先生が頼めば売り切れ続出!?半端ないおやつ効果
タイトル戦等でよく話題になる「将棋めし」
その土地の名産品を使った逸品や、地域の名物など
色々なものがあり、対局を彩る一つの名物となっていますが
藤井聡太先生が頼まれるものはその後の波及効果が半端ないことになることで有名。
代表的なのが名古屋の「ぴよりん」でしょう。
藤井聡太先生が王位戦対局の際、おやつに召し上がったのが
ぴよりんというヒヨコの形を模したケーキ。
ぴよりんを召し上がったという情報が流れると、アッと言う間に問い合わせが殺到し、買い求めるお客様でいっぱいになり…
今やぴよりんは名古屋駅で買える人気スイーツの一つとなりました。
その他にも掛川グランドホテルで販売しているCHABATAKEケーキと言う抹茶のケーキは、
藤井聡太先生が召し上がった後から人気が爆発し、納品まで一か月待ちになるなど
藤井聡太先生が召し上がったものは大注目、品切れ間違いなしと言われるほどの状態になります。
地域まで盛り上げてしまう藤井聡太先生、流石としか言いようがありません。
ちなみに最近の藤井聡太先生、二日制タイトル戦における二日目お昼のおやつは
アイスティー+オレンジジュースなど
ケーキや和菓子のような固形物ではなく、
糖分たっぷりの飲み物一~二杯が定跡化してきているように感じます。
二日制のお昼を過ぎると局面は終盤戦が間近、または最中ということが多い為
より高い集中力を発揮する為にも脳に栄養を、ということで
糖分が多く、かつ消化・吸収が素早く行えるということで頼まれているのでしょうか。
その意図が明らかになったら、受験生等踏ん張りどころで糖分の多い飲み物を頼む
藤井定跡が流行りそうな気がします。
戦績が凄すぎてラノベ作家が頭を抱える
藤井聡太先生が打ち立てていく数々の記録。
途中紹介するのがしんどくなるほどの史上最年少記録オンパレードですが
困ったのは私だけではないですよ、という話。
一番困ったのは将棋のラノベ「りゅうおうのおしごと」を描かれている白鳥士郎先生でしょう。
現実離れした設定でラノベを書いているのに
藤井聡太先生がその設定以上の記録をボコボコ作り、踏み散らかしていく。(勿論喜ばしいことなんですが)
事実は小説より奇なり
これほどこの言葉が当てはまること、ありませんよね。
実際に小説以上の展開に筆者の白鳥先生も困惑されていらっしゃいます。
まとめ
藤井聡太先生に関する記事、如何でしたでしょうか。
今の将棋人気、そしてこれからの将棋界を引っ張る第一人者であることは
疑いの余地がないでしょう。
本当にまだ21歳!?と言いたくなるほどの落ち着きと人間性。
そして他の追随を許さない圧倒的な棋力。
プロ野球の大谷翔平選手、サッカー選手の久保建英選手のように
若くして活躍するスーパースターでしょう。
誰しもが惹きこまれる藤井聡太先生の魅力。
これからも将棋界の様々な記録を塗り替えていってくださることを願ってやみません。
そして、前人未到の8冠へ…
目標に向かって邁進する藤井聡太先生をこれからも応援し続けます。
ダン
コメント
コメント一覧 (15件)
[…] 2023年の叡王戦、最強の棋士藤井聡太先生に挑んだのは菅井竜也先生でした。 […]
[…] この騒動の後に将棋界は冬の時期が到来するものだと思っていましたが、そこで現れたのが藤井聡太先生…ネガティブなイメージを一気に払しょくする程の話題を次々に打ち立てていくのでした。如何に将棋界の救世主的存在であるのかが改めて振り返るとよくわかりますね。 […]
[…] 佐々木大地先生と言えば、2023年の王位戦・棋聖戦で絶対王者である藤井聡太先生と […]
[…] 斜陽産業と言う言葉は、今でこそ藤井聡太先生の八冠により部分的に打ち消されたように思いますが […]
[…] この年代は藤井聡太先生を筆頭に次の将棋界を引っ張っていけるだけの才能に溢れた方が沢山いらっしゃいますからね…かわいい加藤結李愛先生の更なるご活躍に期待するしかない! […]
[…] 藤井聡太先生が偉大な記録を打ち立てたり、想像の斜め上の手を指したりすると大体一回は言われますよね。ある意味将棋界の共通言語?になりつつあるようで、それはそれで すごくないですか? 面白いなと見ていて思います。 […]
[…] 藤井聡太先生世代の一人でもあり、将来を期待される棋士の一人です。 […]
[…] 中部 服部慎一郎先生、藤井聡太先生、八代弥先生 […]
[…] 世の中には、1位がスゴ過ぎて、光が当たらない哀しき“2番星”がいる。そんな2番星を三度調査員が取材。昨年デビューしたプロ棋士の大橋貴洸さんだ。ルーキーイヤーの勝率が将棋界で2位と抜群の成績を飾ったものの、まったく注目されていない。それは、彼が史上最年少でプロ棋士になった藤井聡太の同期だったから。そんな大橋さんのアンラッキー列伝を紹介。燦然と輝く一番星の影でもがく大橋さんの哀しきエピソードとは…。 […]
[…] 藤井聡太先生と渡辺明先生の名人戦の折には、佐藤紳哉先生と共にABEMAにて解説もされています。 […]
[…] 一方の関西Bチームは、絶対王者率いる藤井聡太先生率いる中部チームと対戦。 […]
[…] 出口若武先生は最強棋士である藤井聡太先生を破ったこともある実力派棋士で、 […]
[…] ちょうど藤井聡太先生がプロ棋士となり、デビューし活躍されだした時期と被っているから、そこから興味を持たれたのかも!? […]
[…] いやまぁ確かに田村康介先生みたいな無頼派も棋士にはいますよ?しかし将棋棋士の本質は羽生善治先生のような大局観を持ち、藤井聡太先生のような謙虚さを持った振る舞いをすることですよ? […]
[…] あれだけ勝ちまくっている藤井聡太先生でも破れていない記録だよ。 […]