船江恒平 王手放置で公認会計士が反則負け!?

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船江恒平 王手放置で公認会計士が反則負け!?

今回の記事を読んでわかること

船江恒平先生のプロフィール

船江恒平先生のエピソード

船江恒平先生がプロ棋士になるまで

船江先生と言えば、先日のABEMAトーナメントでの王手放置が非常に衝撃的で、

そこで船江先生の名前を知られた方も多いのではないでしょうか。

ダン

でも王手放置だけでとても船江先生は語れないよ。とっても魅力的な先生なんだ。

そんな訳で今回は船江恒平先生をご紹介致します。

どうぞ最後までごゆっくりとお読みくださいませ。

目次

船江恒平が王手放置!?反則負けの衝撃

ABEMAトーナメントにて衝撃の王手放置

船江恒平先生を一躍有名にしたのは、先日のABEMAトーナメントによる

佐藤天彦先生との対局で、佐藤天彦先生が3五角と王手をかけた手に対し

王手を回避する手を指さずに、逆に3八飛車と打ち込んで王手をかけてしまい

王手放置による反則負けとなりました。

ダン

相手に先に王手をかけられたら、王手を回避する手を指さないといけないのが将棋のルールなんだ。

将棋連盟のサイトにも王手放置は反則であることが明記されています。

王手放置

衝撃の結果に控室も騒然

王手回避をしないで逆王手による反則負けに、控室は騒然となりました。

ABEMAでもその衝撃的な瞬間が動画で残っています。

→船江先生が王手放置を着手した瞬間

 

着手した瞬間、佐藤天彦先生もそれに気づき船江恒平先生の玉を指さし指摘します。

あっ、ごめんなさいっ!と即座にそれに気づき謝罪する船江恒平先生。

チーム天彦の控室で戦局を見つめる戸辺誠先生、三枚堂達也先生は

ええ~!?と驚きを隠せない様子で

船江先生が属するチーム菅井は、リーダーの菅井竜也先生

えー!ちょっとちょっともー勘弁してもぉー!こんなんないわぁ何してんのぉ~!

驚きのあまり椅子から立ち上がり、鋭いツッコミを控室から船江先生に浴びせたのでした。

超早指し勝負だから起きる「トラブル」

勿論王手放置による船江先生の反則負けとなってしまったのですが、

実はこのABEMAトーナメント、超短時間での早指し勝負と言うこともあり

船江先生以外にも通常の対局では考えられない反則負けが幾つか発生しています。

有名な所でいうと

木村一基先生の二歩

中村真梨花先生の「王手放置」

山根ことみ先生の二歩

内山あや先生の二歩

などが挙げられます。

ダン

一般的に反則負けは棋士として恥ずかしいことではあるんだけど、わずか数秒で形勢を判断し、負けないよう読み、勝ちに行くには…なんて考えて指してたら人間だからこういうミスだって出るよね。ずーっとノーミスでテトリスやれないのと一緒だよ。

 

持ち時間が1時間以上あるような対局では滅多に起きない反則負けも、

数秒間に一気に手が進むようなフィッシャールールとなると

途端にその発生頻度が増えるのは、やはり超短時間勝負ならではのトラブルと言えますね。

船江恒平 公認会計士の顔も

2021年に公認会計士試験合格

王手放置による反則負けのイメージが非常に強くなってしまった船江恒平先生ですが、

実は棋界の中でも有数の頭脳派の先生であることは、棋界では周知の事実です。

ダン

だから王手放置した、タダのうっかりさんと思われるのは嫌だったのも、この記事を書く動機の一つだったりするんだよ。

その一つが、プロ棋士でもあり、しかも日本三大難関資格の一つである

公認会計士の資格を持たれている異色な存在である、ということ。

2018年の秋ごろから公認会計士の受験を考え始め、2018年度の順位戦が終わると

そのタイミングから資格合格を目指し、専門学校に通いながら棋士としての仕事もこなすという

二足の草鞋を履く生活を約1年8か月の間行い、2021年3月に

無事公認会計士の資格を取得することに成功しました。

ダン

ちなみに合格するには最低でも約3,500時間の勉強が必要と言われているんだ。簡単に捻出出来る時間でもないし、それを継続するのもとても難しいよね。

現在は太陽有限責任監査法人の大阪事務所で、非常勤職員という形で監査業務も行っているそうです。

船江恒平は大谷翔平レベルの二刀流棋士である

プロ棋士として、本業でもある将棋の勉強だけでも大変なのに

公認会計士として非常勤ではありながら仕事をし、しかも上場企業の

監査業務も行うということは並大抵の知力・体力では出来ないことです。

天才が集う業界で日々仕事をしながら、もう片方で日本三大難易度の国家資格を駆使して仕事をする。

頭脳の二刀流ですよね。

大谷翔平選手が二刀流と言うことでもてはやされていますが、

船江恒平先生も決して大谷翔平選手に引けを取らないレベルでの二刀流をされていらっしゃることが

理解頂けるかと思います。

船江恒平先生だけじゃない!?近年の棋士「高学歴化」

ひと昔前のプロ棋士と言えば、小さい頃から神童と呼ばれ

中学卒業を前後して親元を離れ、師匠のご自宅や近所に身を寄せ

来る日も来る日も将棋を指し続け、プロ棋士を目指す…

と言うのが一つのイメージでしたが

現在は将棋と並行して、他のことに打ち込む先生も多くいらっしゃいます。

羽生善治先生のチェスや、森内俊之先生のバックギャモンのようなゲーム系もその一部ですが

学歴や研究等、いわゆるアカデミックな所に秀でる先生も少しずつ出てきました。

有名な方々でいうと

糸谷哲郎先生(大阪大学大学院 哲学の研究)

谷合廣紀先生(東京大学大学院 車載AIの研究)

片上大輔先生(棋界初の東京大学棋士)

中村太地先生(早稲田大学政治経済学部 論文コンクールで入賞し、スカラシップ授与)

等があります。

ダン

上記の先生だけでなく、難関大学をご卒業された先生達がゴロゴロいるのが将棋界の凄い所だよ。

将棋等で考えたり、覚えたりする作業を日常的に長時間行っている方々からすると

学問はその延長線上にあり、比較的馴染みやすい所なのかもしれませんね。

船江恒平 生い立ち・戦績・エピソードなど

生い立ち~プロになるまで

船江恒平先生は1987年に兵庫県加古川市にて生まれます。

おじいちゃん子だったこともあり、5歳でお祖父様から将棋の手ほどきを受け、小学校2年生で

加古川の英雄・井上慶太先生が師範を務める加古川将棋センターに通うことになります。

ダン

ちなみに祖父様からは囲碁も教えて貰ったと言い、現在でも初段くらいの腕前があるそうだよ。

小学校5年生から井上慶太先生を師匠に奨励会に入会し、

中学校2年生の時点で1級まで昇級と順調に昇級を重ねていきます。

しかしそこから初段昇段まで約1年9か月、二段昇段まで約2年と足踏みをし、

その間に井上慶太門下生で弟弟子でもある稲葉陽先生、菅井竜也先生に抜かされてしまいます。

何とか追いつきたいと3段リーグには2006年前期から参加。

そこから約4年の2010年前期の三段リーグで、13勝5敗という成績で2位となり、四段昇段(プロ入り)を決めたのでした。

ダン

昇段を決めた際は稲葉先生や菅井先生と祝杯を上げ、井上慶太先生にも言葉にならない報告をされたそうです。井上門下の結束力を感じますね。

諦めない姿勢は重要!?最後の最後で効いた「前期の粘り」

実はプロに昇段する際、13勝5敗は船江先生を含め4名が並ぶと言う大接戦となりました。

同じ星で並んだ際に考慮されるのは前期の成績なのですが

前期の3段リーグで船江先生は終盤怒涛の4連勝で12勝6敗としていたことが大きく響きます。

それにより頭ハネ(同じ成績でも前期の順位で劣り、昇段を逃すこと)を回避することが出来

13勝5敗で並んだ4名の中で一番の順位を貰うことが出来、プロになることが出来たのでした。

ダン

一局一局思いを込めて大切に指すことが如何に大切かを思い知らされますね。

ちなみにこの時の1位は、14勝4敗で佐々木勇気先生。現在A級の先生です。

プロ入り後~

プロ入り後すぐの2011年度順位戦では、C級2組を10戦全勝で1期抜けすることに成功します。

その後2018年に現在のC級1組でも9勝1敗と好成績を収め、昇段のチャンスがあったのですが

あの藤井聡太先生の師匠である杉本昌隆先生、近藤誠也先生が前年度順位で上回った為

藤井聡太先生と共に頭ハネを食らうという苦い思いをされていらっしゃいます。

2023年度はC級1組に在籍し、順位戦を戦います。

また、一般棋戦では

2011年度の第一回加古川青流戦にて優勝

2016年の第一回上州YAMADA杯にて優勝

 

と、初物の大会で2回の優勝という成績を残されています。

特に加古川は地元での棋戦で地元棋士である船江恒平先生が優勝と、大きなインパクトを残されています。

藤井聡太名人竜王と浅からぬ縁!?

2018年度のC1級頭ハネ事件もそうですが、

詰将棋選手権の先輩チャンピオンでもある船江恒平先生

何かと藤井聡太先生とは因縁があるのかもしれませんね。

詰将棋作家にして、詰将棋選手権チャンピオンの正確な終盤力

一般棋戦で2度の優勝経験がある船江恒平先生ですが

実は2010年、まだ奨励会3段だった頃に詰将棋選手権にて優勝を果たしています。

この詰将棋選手権と言うのは、特に局面での読むスピードや正確さを図る指標の一つとなっており

詰将棋は将棋力向上に役立たないと言われる意見もあるのですが

現在無敵の藤井聡太竜王名人もこの大会を5連覇しており、決して無関係と簡単には言えないスキルの一つとなっています。

藤井聡太竜王名人の終盤での正確な寄せ、受けのしなやかさはこの詰将棋でも存分に発揮されていますし

斉藤慎太郎先生の終盤力も、この詰将棋にて培われたと言われています。

同じ詰将棋の大会で優勝してしまう船江恒平先生ですから、やはり局面を読む力や寄せ切る力等は

藤井先生、斉藤先生と比較しても決して引けを取らない精度であることは予想出来ますね。

ちなみに詰将棋作家としても有名で、

在学中の2004年には、詰将棋の賞の一つである看寿賞を受賞されています。

ダン

看寿賞とは中手数(19手~49手)の中で優れた作品に与えられる賞で、船江先生は39手詰めの作品で受賞されているよ。

ちなみに詰将棋作家としてのモチベーションは、

弟弟子である稲葉陽先生が解けないような問題を作ること

だったようです。

ダン

稲葉先生は毎度船江恒平先生が持ってくる詰将棋をどんな気持ちで解いてたんでしょうか?

まとめ

今回の記事でお伝えしたいこと

船江恒平先生の王手放置は確かに反則だが、超早指し戦では他にも前例がある

船江恒平先生は反則負けをしても決して弱い訳ではなく、公認会計士も持つスーパー棋士である

藤井聡太先生レベルの読みの正確さと速さを持つ、それが船江恒平先生

今回の記事、最後まで読んで下さりありがとうございました。

記事の中でもご紹介した通り、船江恒平先生は決して弱い棋士ではなく

藤井聡太竜王名人並みの読みの正確さと速さを持ち、

公認会計士という大谷翔平クラスの二刀流で活動する物凄い先生です。

これからも二刀流で頑張る船江恒平先生を、心から応援致します。

ダン

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