将棋 タイトルの序列・賞金・数・歴史
将棋のタイトル数がわかる
将棋のタイトルにおける序列がわかる
将棋のタイトルに関する歴史がわかる
将棋の世界ではこれを中心に動いていると言っても過言ではない、タイトル戦。
タイトル戦と聞いて、実際にどんなタイトル戦が存在し、
そのタイトルを現在誰が獲得しているのか気になることも多いのではないでしょうか。
今回はそんなタイトル戦について記事を書かせて頂きました。
どうぞ最後までごゆっくりお読みください。
将棋 タイトルの序列・賞金・数について
タイトル数は全部で8つ
将棋界でタイトルと呼ばれる主要なものは全部で8つあり、
と呼ばれています。
このタイトルを、約150人いると言われている棋士の方々で
毎年奪取を目指したり、タイトル保有者は防衛しようとしている訳です。
一口にタイトルは8つと言っても全然違うものだから、それを一つずつ紹介していきますよ!
8大タイトルの序列について
タイトルについては序列が存在します。
序列と言っても、将棋連盟もスポンサー様の手前もあり
「どのタイトルにも序列は存在しない。」
との見解が表向きな声明ですが、一般的には
タイトル戦の歴史
タイトル戦の賞金
等を鑑み序列が存在します。
将棋連盟のHPも一応序列通り掲載はされていますよね…
実際に8大タイトルに序列をつけると以下のようになります。
1.竜王
2.名人
3.王位
4.叡王
5.王座
6.棋王
7.王将
8.棋聖
8位の棋聖だったとしてもタイトルを1期獲得することがとんでもなく大変なことであることは間違いありません。
しかし、同じタイトルであるにも関わらず序列が出来てしまうのは、先ほど説明した通り
賞金と歴史が考慮されてしまうからなんですね。
ちなみにこの序列は固定ではなくて、賞金等で変わるから竜王戦もスポンサーが変わり、賞金が変わると序列を下げる可能性だってあるよ。
棋聖も賞金が増加することで序列を上げる可能性だってあるんだ。
別格なのが竜王と名人
8つのタイトルは戦術した通り、1つ獲得するだけでも大変難しいことなのですが
この8つの中で、別格と呼ばれているタイトルが2つあり
それが竜王と名人となっています。
勿論二つのタイトルの賞金が高いのもその理由なのですが、
後述するタイトル戦そのものの重みが全く違うこともその理由。
竜王戦はプロ・アマ・女流棋士が出場する、いわば将棋の天下一武道会。
名人戦は順位戦を勝ち抜き、その最高峰であるA級に入らないと挑戦すら出来ない超プレミアであり
400年以上続く将棋の歴史の中で最も権威があるタイトル戦で、
プロ棋士100人中100人が一度は夢見る名人位。
サッカーで言うと
竜王位=天皇杯覇者
名人位=J1リーグ優勝
くらいの重みがあります。
したがってこの2つのいずれかを獲得していると、他のタイトルを獲得していたとしても
〇〇名人、△△竜王
と呼ばれるようになり、この両方を獲得すると
竜王名人と呼ばれるようになり、2023年8月時点で5人しか達成していない偉大な記録となります。
ちなみにアマチュアによる段位の免状を頂く際に揮毫(サイン)されるのが連盟の会長、そして竜王と名人の3名なんだ。
他のタイトルを獲得しても段位免状に揮毫はしないよ。
それくらい竜王、名人位は別格なんだね。
各タイトル戦の賞金について
気になるタイトル戦の賞金についてですが、名言はされていないので
凡その金額を様々な情報をもとに作成いたしました。
金額に関してはやはり竜王位が別格、と言うところでしょうか。
ちなみに竜王戦は勝てずに挑戦のみ・または失冠したとしても、対局料など含め2,000万円前後と言われていますので
他のタイトル戦と比較しても桁違いであることがわかりますね。
金額の差については、タイトル戦を主催するスポンサー様の意向によって決まります。
勿論スポンサー様のオサイフ事情もあるのですが、やはりもっと賞金を上げるにはタイトル戦そのものにそれだけの価値があってこそ!ですね。
各タイトル戦の主催・スポンサーについて
各タイトル戦における主催や後援についてまとめました。
新聞社が主催するケースが圧倒的に多いですが、後援には一般企業もどんどん参入している様子が伺えますね。
新聞には将棋・囲碁に関するコーナーがあり、昔から馴染の深い娯楽ということもありますから
やはり主催する側も新聞社、ということになるのでしょうか。
何十年も先になったら、以前ドワンゴが叡王戦の主催をしていたようにIT系の企業が主催するタイトル戦も増えていくんでしょうか。気になるところですね。
将棋 タイトルの歴史
ここからはタイトル戦の歴史についてご紹介します。
最初のタイトル戦は「名人戦」
現在のようなタイトル戦になったきっかけは1930年代でした。
もともと将棋界における「名人」は世襲制の色合いが強く、大橋家・伊藤家による持ち回りが通例でした。
しかし1930年に入り、時の十三世名人であった関根金次郎氏が退隠することを表明し
これまでの世襲制による名人ではなく、実力制による名人をうたったことが始まりとされています。
実力制による名人戦は1935年にスタートし、実力制第一代名人の故・木村義雄先生をスタートし
現在の順位戦をベースにした形が出来上がりました。
実力制の前の世襲制を入れても400年以上続く歴史。名人に多くのプロ棋士が憧れるのも納得です。
竜王戦の前身にあたる九段戦を皮切りにタイトルが増えていく
名人戦から暫くの時を経て、現在の竜王戦の前身にあたる
九段戦が1950年に発足します。(当時はタイトル戦ではなかった)
時を同じくして1950年に王将戦が発足し、1951年にタイトル戦に格上げされます。
そこから10年後の1960年に王位戦が発足し…
ということで8大タイトルの開始年度をまとめました。
(※前身の年度ではなく、現行のタイトル戦に格上げされた年度が基準)
そして2017年の叡王を含め
現在は8大タイトルとしてこれらのタイトルを目指し、日夜棋士がしのぎを削っているのが現状です。
八大タイトルも現時点の話で、タイトル戦に格上げされてきた歴史を見ると、何十年か先には十大タイトルとかに増えてるのかもしれないね。
各タイトルにおける永世位の扱い
各タイトルそれぞれに永世位というのが設けられており、
所定の期数タイトルを保持すると与えられる称号のようなものがあります。
簡単に言うと殿堂入り(レジェンド)みたいなものだね。
一回でも取るのが大変なタイトルですが、それを複数期・長期に渡って保持し続けるというのはとてつもないこと。
各タイトルの永世基準をまとめてみました。
2017年に新設された叡王のみ永世称号の規定がありませんが、
今後複数回タイトルを保持する棋士が現れると
恐らく永世位の規定が出てくることでしょう。
その有力候補が藤井聡太先生なのはいうまでもありませんね。
いや、一つだけでも永世の称号を取るのが大変なのですが
この永世称号をあり得ない回数獲得した棋士の先生がいます。
羽生善治 永世位7つの凄み
それは通算タイトル99期と歴代一位のタイトル獲得回数を誇る
叡王戦がタイトル戦に格上げされる前の7大タイトル時代、
同時に7つのタイトル全てを獲得する7冠を達成したのもとんでもないことなのですが
更に凄いのはその7つのタイトル全てで永世位を獲得されていることです。
つまり、
永世竜王
永世名人(十九世名人)
永世王位
名誉王座
永世王将
永世棋王
永世棋聖
と名乗れる資格を取得しており、言い換えると
現時点で永世規定のある7つのタイトル全て最低5期以上獲得したことがある
というとんでもない実績を誇ります。
藤井聡太先生の凄さが連日報道されているけど、実績だけ見るとどうやったって羽生先生も化け物なんですよね…
今後はこの前人未到の記録に藤井聡太先生がどれだけ近づき、そして追い越せるのかどうかが注目されますね。
ちなみに現役棋士で永世称号を得ているのは羽生先生以外にも他に4名いらっしゃり
と早々たる方々が顔を揃えます。
全員が名人経験者で、4名ともとんでもないレジェンドなんだけど、それでも永世位は1つか2つ。羽生先生の化け物ぶりがわかりますね…
現在8つのタイトルのうち、7つを藤井聡太先生が獲得
現在8つあるタイトル戦ですが、
このうちの7つ、
竜王
名人
王位
叡王
棋王
王将
棋聖
を藤井聡太先生が保持しており残る1つ、王座のタイトルを
永瀬拓矢先生が保持されています。
そして藤井聡太先生が目指す前人未到の八冠を懸けた王座戦は8月の31日からスタートします。
藤井聡太先生が永瀬王座を破り、八冠完全達成を目指すのか。
永瀬王座が意地を見せ、藤井七冠の野望を阻止するのか。
大きな見どころとなりそうですね。
そして、更に長期的に見て藤井聡太先生が永世位を8タイトル全てで獲得することが出来るのか。
それもこれからの楽しみとなりそうですね。
まとめ
本日も最後までお読み下さりありがとうございました。
将棋のタイトル数は8つ、その中で竜王と名人は他のタイトルと比較して別格の存在
タイトルの序列は賞金額で決まる、序列が上がることも下がることも可能性としてはある
序列関係なくタイトルを1期でも獲得したら、それだけでも凄いこと
今後もタイトル獲得を目指して日々研鑽に励むプロ棋士の先生方を
これからも全力で応援します。
ダン