伊藤匠 藤井聡太を泣かせたライバル候補 父は弁護士?
伊藤匠先生のこれまでの歩み
藤井聡太先生と伊藤匠先生とのエピソード
伊藤匠先生・お父様のエピソード
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伊藤匠先生と言えば、現在20歳にして七段の段位であり
藤井聡太先生世代の一人でもあり、将来を期待される棋士の一人です。
10/6から始まる竜王戦で、竜王位である藤井聡太先生と竜王位を懸けてタイトル戦に挑みます。
今回は、そんな伊藤匠先生に関する記事を書きたいと思います。
どうぞ最後までごゆっくりとお読みくださいませ。
伊藤匠 藤井聡太に勝利し泣かせる
若かりし頃の藤井聡太先生と対局し勝利
元プロ野球の松坂大輔選手の凄さを伝える際に、元プロ野球選手の片岡篤史選手の三振シーンを使うくらい
数え切れないくらい擦られたネタですが(笑)、紹介しない訳にいかないので紹介します。
小学校3年生の際に、二人が出場した小学館学年誌杯争奪全国小学生将棋大会にて
伊藤匠先生と藤井聡太先生が準決勝で激突。
この時の対局では伊藤匠先生が藤井聡太先生を破り、決勝に進出します。
藤井聡太に勝利後…
ここまではよくある小学生棋士の微笑ましい話なのですが、
事件はここから起こります。
対局終了後、負けた藤井聡太先生が号泣。
そのまま藤井聡太先生は泣きながら三位決定戦の対局に臨み、勝利します。
幼少期に藤井聡太先生が負けると泣きだすことは珍しいことではなかったんだよ。盤にしがみついて泣いているのをお母様が宥めて静かな場所に連れて行き、落ち着くまで待ったり
師匠の杉本昌隆先生が宥めたりしていたんだ。
活字だけ拾ってしまうと、伊藤匠先生が物凄いヒール役なようにも見えてしまうのですが(笑)、
対局し、勝利したというごくごくありふれた光景の一部にしか過ぎない出来事だったわけですね。
ただ相手がそこまで有名になりすぎると、ネタとして何度も擦られてしまうのはある意味有名税みたいなものですね。
訪れた雌伏の時
小学3年生の対局以降、両者はまるで立場が逆転したかのような道を歩み始めます。
藤井聡太先生が奨励会に入会した1年後、伊藤匠先生も宮田利男先生を師匠に奨励会に入会し
プロ棋士を目指す道を歩み始めるのですが
光と影のコントラストが逆転したかのように、両者は異なる道を歩み始めます。
史上最年少棋士記録やデビュー最多連勝記録など
空前絶後の大記録を次々と打ち立てていく、藤井聡太というかつて将棋で負かした相手。
かたや、自分自身は着々とプロ入りの道に近づいていく中で
どうしても開いてしまう差…
いつかやってくる藤井聡太先生との邂逅を信じ、伊藤匠先生が藤井聡太先生の背中を追いかけていく時間が
ジリジリと過ぎていくのでした。
伊藤匠 生い立ちからプロ入り後の戦績など
伊藤匠先生の生い立ち プロになるまで
伊藤匠先生は2002年に東京都の世田谷にて誕生します。
将棋を始めたのは5歳の時で、お父様から手ほどきを受けたのがきっかけと言われています。
将棋を覚えてメキメキと力を付けていき、
小学生倉敷王将戦低学年の部 準優勝
小学館学年誌杯争奪全国小学生将棋大会 準優勝
等の実績を引っ提げ、2013年に奨励会に入会します。
順調に昇級・昇段を重ね2018年には三段に昇段。三段リーグに参加します。
2017年に高校に入学したんだけど、1年生の1学期で将棋に専念する為高校を退学したんだよ。
高卒棋士・大卒棋士も少しずつ増えている中で、伊藤匠先生の覚悟が伺い知れますね。
15歳にして将棋の道一本で生きていくと決意した伊藤匠先生の思いは結実し
2020年の三段リーグにて15勝3敗にて1位通過、17歳にて念願の四段昇段(プロ入り)を果たしました。
プロ入りの速度含め優秀だが、比較対象が…
17歳でプロ棋士になるのは相対的に見てもかなり早い部類で
現在も永瀬拓矢先生や豊島将之先生、佐藤天彦先生、菅井竜也先生など
タイトル戦線に名乗り出てくるような先生は、いずれも10代でプロ入りを果たしています。
藤本渚先生がプロ入りするまで伊藤匠先生が最年少棋士であったことを考えても
むしろハイペースなくらいの部類なのですが
常に比較対象となるのは、同級生にして史上最強になるかもしれないあの藤井聡太先生。
藤井聡太先生は2016年にプロ棋士になっており、それと比較すると4年遅れと言う計算になってしまいます。
伊藤匠先生の記録は決して劣るものではなく、むしろかなり良い部類のハズなのですが
相手が藤井聡太先生となってしまうと、劣ってしまうように見えてしまいます。
サッカーでいう久保建英選手とメッシ選手を比べるようなものだよね。メッシ選手と比較すると劣っているように見えてしまうけど、久保建英選手は日本でも有数のプレイヤーですから…
心に巣食う負の感情を乗り越えて
藤井聡太先生が先にプロデビューした中で、伊藤匠先生は順調に昇級を重ねていく立場でありながら
奨励会員、まだプロを目指す立場でありました。
同級生ではあるものの、プロ棋士でもあり、誰も成し遂げないような記録を次々打ち立てていく。
その複雑な思いが最高潮に達したのは2018年、朝日杯トーナメントでした。
並み居る強豪が集う中、藤井聡太先生は準決勝で羽生善治先生を破り、決勝で広瀬章人先生をも撃破し優勝。
藤井聡太先生が優勝する瞬間、記録係を務めていた当時奨励会員三段の伊藤匠先生は
広瀬章人先生の投了を促すように秒読みを進めます。
50秒、1、2、3…
かつて勝った相手が、今ではプロ棋士、かたや自分は奨励会員。
伊藤匠先生は己の心に芽生えた感情に気づきます。
藤井聡太先生が勝ちに近づく程に、落ち込んでいく自分自身。
勝たないでくれ…
早く連勝止まってくれ…
朝日杯終了後、打ち上げの席で話をすることもなく、関係者に気を遣われ
先に帰宅を促される自分。
その辛くて悔しかった苦い思いは、2年7か月という歳月を経て同じ土俵に立つことで一旦昇華されることとなりました。
伊藤匠先生のプロ入り後の主な戦績
伊藤匠先生がプロ入り後収めた主な成績ですが、
新人戦優勝と棋戦では一度の優勝を誇ります。
更に2021年度は、あの絶対王者藤井聡太先生を抑え、勝率一位賞を受賞しています。
1つの評価と言えばそれまでですが、それでも部分的に藤井聡太先生を上回ったことはやはり素晴らしいの一言でしょう。
そして今回の2023年竜王戦が現時点でのキャリアクライマックスと呼んでよいでしょう。
竜王戦が始まってから現行の制度で、5組からの挑戦者決定は史上初でもあり
21歳の藤井聡太先生と、20歳(タイトル期間中に21歳になる)の伊藤匠先生のタイトル戦は
合計年齢としても史上最年少であり、
21世紀生まれの棋士の先生同士がタイトル戦で激突するのも史上初となっています。
遂に来たかー、という感じですよね。ここから伊藤匠先生と、藤井聡太先生とのストーリーが続いていくと思うと胸熱ですよね。
残念ながら竜王戦は0勝4敗と良い所なく敗れてしまいましたが、
2023年度の棋王戦で再び藤井聡太先生とリベンジの機会が訪れました。
そして、先手角替わりは先手がほぼ必勝という結論を覆し
後手ながら持将棋(=引き分け)に持ち込む大熱戦を演じました。
本対局は2023年度のベスト対局になっても決しておかしくない程の素晴らしい対局でした。
残りの対局にも注目ですね!
伊藤匠先生の棋風
伊藤匠先生の棋風は居飛車党で、得意戦法は相掛かりとなっています。
藤井聡太先生も相掛かりを指される先生の一人でもある為、竜王戦で
相掛かりが見られるかもしれないですね。
序盤・中盤・終盤で分けても特に大きな弱点があるわけではないのですが
本人の中では序盤研究の所を課題として挙げているようで
強豪棋士との対局で負けた原因が、序盤で差をつけられていることと分析されているようです。
序盤研究の改善が進むと、更に強くなった伊藤匠先生が見られるようになるかもしれませんね。
伊藤匠 父伊藤雅浩は弁護士で司法試験首席合格?エピソードなど
伊藤匠先生のお父様は弁護士の伊藤雅浩先生
伊藤匠先生のお父様は、弁護士の伊藤雅浩先生と言われています。
伊藤雅浩先生は愛知県出身で、現在は東京にて弁護士をやられているようなのですが
弁護士になる為に通る道、司法試験にてなんと首席合格ではないかとの話が出ています。
日本の三大難関資格の一つと言われている司法試験で一位…
ハッキリ言ってとんでもないレベルの頭脳であることが伺い知れます。
その頭脳を伊藤匠先生も受け継いでいる可能性は多分にありそうですね。
お父様の雅浩先生はTwitter(X)をやっており、息子の匠さんの対局や将棋にも関心を寄せている様子が伺えますね。
お父様含めご両親とも一緒に住まれているようです。
食事や生活の面含めかなりサポートして頂いているようで
研究用にデスクトップ型のパソコンを、若き頃の伊藤匠先生にプレゼントされたのもお父様だったそうです。
ハイスペックのパソコンを手に入れた伊藤匠先生、そこからは効率よく研究が進み、更に高精度の手が出てくるようになった為自信を持って指せるようになったみたいだよ。
プロ入りして買って頂いたパソコンの代金はお父様にお返しされたみたいですね。
伊藤匠先生は熱狂的なドラゴンズファン?
伊藤匠先生は東京都出身ではありますが、野球にも興味があり
名古屋に本拠地を置く中日ドラゴンズの大ファンでもあります。
お父様が愛知県出身ということもあるんですかね?詳しい情報求むです。
ちなみに熱狂的ではないようで(本人がインタビューで否定している)
最近は将棋に専念をしていることもあり、あまり中日の試合等も見られてはいないようです(中日ドラゴンズの成績がよくないこともあり、見るとストレスが溜まるようですね)
自らが竜王戦に出場し、竜繋がりはしっかりと維持しているようです。
二年連続最下位と低迷が続く中日ドラゴンズですが、中日ドラゴンズに負けない活躍をされている伊藤匠先生。
これからのご活躍にも期待ですね。
体力つくりの為にランニングを欠かさない
伊藤匠先生は体力つくりの為に2021年頃からランニングをはじめ、
雨の日と対局の日を除いては毎日走っているそうです。
ただしランニングが趣味と言う訳ではなくて、
ランニングそのものは苦痛でしかないそうです。
苦痛でも続ける理由は体調管理が目的で、それを突き詰めるとつまり将棋で勝つ為の手段。
大きな成果を出す為には、何かを犠牲にしなければいけないのが世の常ではありますが
伊藤匠先生も苦痛を受け入れ、将棋で成果を出す為にあえて苦しい選択肢を選ばれていらっしゃいます。
趣味は将棋!?トップ棋士に負けない練習の虫
将棋に対するストイックさと言えば、代表格として永瀬拓矢先生を連想する方も多いのですが
伊藤匠先生も非常にストイックに将棋に向き合われていらっしゃいます。
永瀬拓矢先生の将棋に対する姿勢に感服されながらも、
との考えからほぼ休みなく、毎日将棋と向き合う日々を過ごされているようです。
研究会やVSも月に10日~15日程入れられているようで
研究会が終わったら自分の指した手をソフトで振り返る、というサイクルで勉強されているようです。
詰将棋もよくやられているようで、詰将棋パラダイス(詰めパラ)や将棋世界の詰将棋サロンをやられているようです。
テレビやインターネットもほとんど見ないで、将棋に没頭する毎日のようですが
という不安からそこまでやりこんでいるようで、やはり結果を出せる先生はそれだけの努力を積み重ねているのだと感じました。
まとめ
最後までお読み頂きありがとうございました。
幼少期の藤井聡太先生を泣かせた伊藤匠先生は、現在も藤井聡太先生のライバル
生活の全てを将棋に捧げようとするなど、勉強もトップクラスの伊藤匠先生
今後もタイトル戦線に顔を出してもおかしくない棋力を持つのが伊藤匠先生
伊藤匠先生は2023年の竜王戦だけでなく
これから何十年と藤井聡太先生のライバルとして将棋界を盛り上げていってほしいですね。
これからの伊藤匠先生のご活躍を応援します。
ダン