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山本博志先生と言えば、振り飛車党で主に三間飛車を武器に活躍される棋士の先生です。
2024年現在は20代で、今後更なる活躍が期待される先生の一人ですね。
今回はそんな山本博志先生について記事で紹介していきます。
どうぞ最後までごゆっくりとお読みくださいませ。
山本博志の病気と体調不良について
持病との戦い
山本博志先生はプロ棋士として活動されていますが、将棋と並行して
持病とも長らく付き合って来られています。
ご自身のXやnoteにも持病に関する呟きが散見されますので、一部を紹介すると
アトピーであることを公表されていらっしゃいます。
2021年には、一時的に手袋をして対局をされていらっしゃいました。
しかしそれを言い訳にせず盤上に集中し、決してプロ棋士として恥じない成績を残されており
100勝達成時には100勝70敗と30の貯金を作っての達成でした。
堀口一史座先生や、中座真先生のように病を患われていてもそれを言い訳にせず、
研究の時間を確保し将棋を追求し続け盤面に没頭する。
まだ20代とお若いながらも、その真摯な姿勢は大変素晴らしいことだと思います。
一時は右目を失明していた
そんなアトピーに悩まされていた山本博志先生ですが、
2023年の6月にアトピー性白内障の手術を受けられたことをnoteにて語られています。
山本博志先生が書かれた内容を要約すると
2019年から約3年半、アトピー性白内障により右目が失明状態であった
右目の視界が真っ白に濁っていて何も見えなかった
アトピーがよくならないと手術が難しい為、時間がかかった
手術後の対局は眼の疲労度が全然違い、普段終盤に起きていた頭痛も起きなかった
難しい状態だったが良いお医者様に出会え、今は右目が見える
と言うことのようで、お若くして片目が一時的に失明状態であったことが
驚きと共に捉えられました。
手術のお陰で右目に光が戻ったようで…本当に良かった!
将棋は81マスの盤面を凝視しながら形勢を判断したり、次の一手を考えたりする為
想像以上に目を使っている、というのが実状。
棋士の方が時々目薬をさしている姿が映りますが、それだけ目を使っていると言うことなんですよね。
その片方の光がない中で対局に臨んでいた…そして成績を落とさなかった…
それだけでもとんでもないことであることがわかって頂けるかと思います。
定期的にやってくる体調不良と戦っている
アトピーを患っていることもあってか、健康の価値を誰よりもご存じの山本博志先生ですが
そこで気づいたこともあったようです。
健全な精神は健全な肉体に宿る、ということを改めて感じさせて下さいます。
(体調不良だと精神が不健全と言う話ではありません。あしからず)
2019年11月頃からの山本博志先生は、noteの中でも
夜に寝れない
2日に1日は全く動けない
集中して動画を見れない
状態が続いていたようです。
痒みと痛みに身体の感覚を支配されながらも、薬を飲んで休む。
月に数度の公式戦の対局以外は意図的に将棋から離れる。
恐らくそれらに悩まされることなく、将棋に没頭出来る棋士の先生を
羨ましく思ったこともあったことでしょう。
それでも自らの運命と向き合い、良いことも悪いことも含めて、と表現される山本博志先生。
奨励会員だった頃もアトピーに悩まされ、高校に通うのも辛く
ベッドで横になってはスマホのアプリで研究をするなど常人と比べるとハンディキャップを背負っていました。
体調の関係で大学進学も断念した過去もあります。
しかしそんな人生をここまで過ごし、健康の価値を誰よりもわかっている
山本博志先生だからこそさせる将棋があると思っています。
これからも更なる独創的な将棋に期待したいですね。
山本博志 生い立ち~プロ入り後の戦績
生い立ち~プロ棋士になるまで
山本博志先生は1996年に東京都江東区にて誕生されます。
将棋を始められたのは小学校1年生の頃で、
アマチュア5級程度の棋力であったお父様から手ほどきを受けたのが始まりです。
しかもお父様は山本博志先生が奨励会に入るまでの期間、ずっと記録として
ブログにご子息が将棋を楽しんでいる様子を綴られています。(2008年より休止)
小学4年生の頃に小倉久史先生を師匠に奨励会を目指しますが残念ながら試験は不合格となります。
そこから研修会から編入というルートで奨励会に入会すると
順調に昇級を重ね…とはならず二度の降級を経験されていらっしゃいます。
1度目は3級から4級に降級、2度目は1級から2級への降級で、
山本博志先生曰く、奨励会時代に二度降級したプロ棋士はかなり珍しいとのことでした。
二度目の降級の際はかなり精神的にもショックだったようで、
師匠である小倉久史先生に奨励会を退会する旨を報告に行った程ですが、
小倉久史先生からの「もったいないよ」という発言で退会を思いとどまるのでした。
高校1年時に長い停滞期を乗り越え、初段に昇段すると
高校を卒業した19歳時に三段に昇段します。
三段リーグ在籍時には藤井聡太先生をトマホーク戦法で破るなどの活躍を見せます。
奨励会は通算6期在籍し、6期目に13勝5敗の成績をあげ、本田奎先生に次ぐ2位となったため
2018年10月1日に四段昇段(プロ入り)となりました。
プロ入り後の実績について
山本博志先生のプロ入り後の成績ですが、2024年現在で
棋戦優勝等の大きな実績はなく、
順位戦もC級2組、竜王戦も6組と言う状況です。
しかしながら2019年の銀河戦では決勝トーナメントに進出、2020年度のNHK杯では本戦出場と
着実に実績を積み上げている所でもあり、これからの更なる活躍に期待ですね!
棋風
山本博志先生の棋風は振り飛車党で、三間飛車のスペシャリストとしての地位を築き上げています。
現在の将棋界では少数派となった振り飛車党であり、しかも三間飛車という更に珍しい棋風。
これは完全に私見となってしまいますが、振り飛車党の方は良くも悪くも拘りの強い人が多い印象。
山本博志先生も多分に漏れず、随所で振り飛車に対する拘りを感じます。
時折横歩取りなども指されますが、やはり三間飛車に対しては拘りがあるようで
先手番の時は初手7八飛(いきなり飛車を3間に振る)を用いることもあります。
奨励会時代には居飛車の研究もされていたようですが、振り飛車と比較してみた結果
山本博志先生には三間飛車の方が合っていたということで、
居飛車への転向は今の所考えていらっしゃらないとのこと。
これからも振り飛車党の希望として振り飛車党に勇気を与えるような差し回しを期待したい所です。
山本博志 藤井猛 盤上のオリオン エピソード
藤井猛への憧れ
山本博志先生は振り飛車党ということもあり、ことある毎に藤井猛先生に対する憧れを口にされています。
曰く、藤井システムのような新しい戦法を作って竜王を取ったり
振り飛車として、立体的に攻める棋風が魅力的であることなどが理由としてあるようです。
四段昇段時から藤井猛先生との対局を待ち焦がれていたようですが、
2020年、王座戦の二次予選で遂に藤井猛先生との対局が実現しました。
この対局が決まった時に、山本博志先生は深夜に自称気持ち悪い記事をnoteにしたためたのでした。
ちなみにこの記事は将棋界で大きな反響を呼び
将棋ペンクラブ大賞の文芸部門で最終選考候補作に入っただけでなく、観る将アワード2019でも多数の推薦を受けるなど
山本博志先生の渾身の記事となりました。
奨励会時代、希望を失いかけていた自らを照らしてくれた藤井猛の将棋。
終盤の天才達に対抗すべく、藤井猛にならい序盤研究に明け暮れたあの日々。
将棋は人を勇気づけるものであると藤井猛の将棋から確信出来た瞬間。
そしてプロ入りへの確かな道筋を描いてくれた、まだ見ぬ振り飛車界の大御所。
果たして盤を挟んで相まみえた二人。
四間に飛車を動かす藤井猛に対し、三間に飛車を動かす山本博志先生。
相振り飛車となると、山本博志先生は飛車をひねり藤井飛車に接近します。
そこからはもう、振り飛車らしい差し回しなんて野暮ったい言葉は不要でした。
銀をぶつけ合い、飛車をぶつけ合い、一番大事な玉を囲うことは二の次でフルパワーでの殴り合い。
守りの金は最後の最後になるまで双方ほぼ微動だにせず、手にした駒を
次々相手の手薄な玉に迫るようにぶつけ合う、
振り飛車党としての意地と意地のぶつかり合いのような凄まじい将棋となりました。
最後は84手で藤井猛先生を投了に追い込み、憧れの藤井猛越えを果たしました。
この一局の棋譜は是非見て欲しいですね。明らかに普通ではないですが、指している側は楽しくてたまらない、そんな声が聞こえてきそうな棋譜となっています。
AIを用いた繊細な差し回しも勿論魅力ですが、プロ同士がノーガードで豪快に殴り合うような暴力的な将棋も
見る将としては心が躍りますね。
今後もワクワクさせるような対局を沢山見せて欲しいものです。
盤上のオリオン監修
2024年に週刊少年マガジンで連載が始まった将棋マンガ、盤上のオリオン。
実はこの漫画の監修をしているのが山本博志先生となっています。
将棋マンガの監修はどちらかと言うと年配棋士の方が行うことが多いのですが
20代の山本博志先生が監修を行うのは将棋界では異例のこと。
noteに綴られた文を読む限り、山本博志先生の文才はかなりのものと考えられます。
先崎学先生の後釜を担うのは山本博志先生なのかもしれません。
まだ連載が始まったばかりのマンガですが、これからのストーリーにも期待ですね!
奨励会時代に三間飛車の本を出版
師匠である小倉久史先生と共著という形にはなりますが、
山本博志先生は奨励会三段時代に三間飛車に関する著書を出版されています。
三間飛車新時代 (マイナビ将棋BOOKS)
アマチュアは振り飛車党の方も多く、四間飛車に関する著書と言うのは沢山あるのですが
三間飛車に関する研究著書となると途端にボリュームが少なくなってしまい
三間飛車党の方にとってはノウハウがなかなか蓄積しづらい状況だと思います。
しかし師匠の小倉久史先生と共同で本著を出されたことで、
多くの三間飛車党の方の研究に大きな影響を与えたことは間違いないでしょう。
師匠の小倉久史先生も、山本博志先生の三間飛車に対する研究の深さをこの当時から感心されていたようです。
noteにマンガの監修、そして研究書…
やはり山本博志先生は将棋だけでなく、文才も相当なものではないかと思われます。
相手の二手指しを止める
瀬川晶司先生との順位戦で、局面は瀬川晶司先生の勝勢という状況で
手番が山本博志先生となりました。
ここで離籍をした瀬川晶司先生、まだ山本博志先生が指されていないにも関わらず
駒を手に取ってしまい、指そうとしてしまいます。
将棋では1手ずつ相手と交互に指す為、相手が指していない状態で自分が指してしまうと
二手指しという禁じ手(反則)となってしまい、即座に負けとなってしまいます。
しかし山本博志先生はあわや二手指しとなった瀬川晶司先生を制し、
瀬川晶司先生の二手指しによる反則負けを阻止することに成功。
結果対局では山本博志先生の負けとなってしまいますが、瀬川晶司先生が終局後にこの件をツイートされています。
この件については将棋解説で有名なyoutuberのアユムさんも大絶賛。
本来将棋は対局者へのアドバイスはタブーとされていますが、山本博志先生のフェアプレー精神は
称えられるべきものと言えるでしょう。
四段昇段でテンパってしまい年齢のサバ読み
山本博志先生が四段昇段を決めた2018年、調査書を作成することになりました。
そこで昇段を決めたことで気が動転していた山本博志先生、なんとご自身の生年月日を
1996年ではなく1998年と誤って記入してしまったのでした…
いやまぁ、試験で緊張して自分の名前間違える人もいるからねぇ…
趣味はカラオケ
山本博志先生の趣味はカラオケで、
奨励会の行事で徳永英明さんの「壊れかけのradio」を熱唱されたこともあったようです。
また、高校時代はボカロ系の歌、supercellにやなぎなぎさんの曲を聴かれていたようです。
ボカロはわからん…すいません…
ちなみにカラオケが好きな棋士で言うとまず思い浮かぶのは青嶋未来先生(ガチ勢)
そして古森悠太先生、女流棋士で言うと伊藤沙恵先生でしょうか。
あとは戸部誠先生のミスチル愛とか…
将棋は長時間集中して局面を読んだり、研究する、そして必ず勝敗が決まることもあり
タイトル挑戦や昇降級の懸かった対局のストレスは尋常ではないでしょう。
そのようなストレスフルな環境下で、思い切り歌ってストレスを発散するのはとても良いことですね。
まとめ
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
アトピーによる体調不良を言い訳にしない山本博志先生
現在実績を積み上げており、これからが楽しみな山本博志先生
才能溢れる文面や相手の反則負けを阻止するナイスガイな山本博志先生
山本博志先生の持病が落ち着くこと、そして山本博志先生の更なるご活躍を心より願っています。
ダン