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2/10に放送された将棋のABEMA地域対抗戦、関東Bチームと九州チームの対局について
記事の中で紹介していきます。
非常に手に汗握る展開となり、大熱戦となりました。
果たして勝利したのはどちらのチームだったのでしょうか?
対局毎のポイントについてもまとめていますので是非参考にしてください。
ABEMA地域対抗戦のルールおさらい
地域を八つのチームに分け、選抜された棋士が出場
まず最初にABEMA地域対抗戦のルールについてですが
地域ごとに8つのチームに分け、予選Aリーグ、予選Bリーグに各4チームずつ振り分けられます。
各リーグ2位までが決勝トーナメントに出場出来ることになっており、
1敗しても2位決定戦が行われる為厳密にはリーグ戦に近い様相となっています。
各チームへはエントリー制となっており
自身の出身地や幼少期を過ごした地域
奨励会時代に過ごした地域
個人的に普及活動等で訪れた思い入れのある地域
等を軸に8つのチームを選んで棋士がエントリーという形になっています。
1/6放送のドラフト会議にて、出場する選手については決定しておりますので
詳しくはこちらの記事を参照ください。
采配含めた戦略が必要となりそう
今回のルールは先に5勝したチームの勝利となっており
先発棋士3人で対局→3敗、4敗時に控えメンバーの入れ替え可能
と言うルールになっています。
これまでのABEMAルールとは異なるレギュレーションとなっている為
3敗以降どの棋士を出場させるのかは各チームの監督の采配が重要になってきそうです。
ABEMA地域対抗戦 関東B VS 九州
5勝4敗で九州チームの勝利
2/10のABEMAにて、関東Bチームと九州チームの対局がありました。
5勝4敗で九州チームの勝利となり、九州チームは2/3で勝利した中部チームと
1位突破を懸けて対戦することになりました。
星取表はこんな感じになります。
一方、敗れてしまった 関東Bチームも関西BチームとBグループ2位通過を懸けて
対局が残っています。
先発隊は
となりました。
以下、対局の詳細を紹介します。
第一試合 ●渡辺明(関東B)VS古賀悠聖(九州)〇
先発オレ!で出場してきた関東Bの監督兼選手の渡辺明先生に対し、
九州は古賀悠聖先生との対決となりました。
振り駒の結果九州チームの先手となり、古賀悠聖先生の先手で対局開始。
対局前インタビューで、自分から仕掛けると豪語していた渡辺明先生と
作戦を外してみようかと話していた古賀悠聖先生ですが
古賀悠聖先生の横歩取りから、青野流のような含みを見せる出だしとなりました。
その後渡辺明先生は角交換に持ち込み、古賀悠聖先生は玉を中住まいに構えます。
後手の渡辺飛車が2筋に駆け付け、向かい飛車から玉を双方固める持久戦の模様を呈してきました。
双方8筋に陣取る玉と飛車が陣取る2筋でにらみ合いながら、
先に戦いのゴングを鳴らしたのは渡辺明先生。
4九に角を打ち込み、本格的な戦いが始まります。
2筋にいる古賀飛車を圧迫させ、と金で攻める渡辺明先生に対し
角を成り込み、馬を渡辺玉のラインに寄せる古賀悠聖先生。
飛車を捕獲した渡辺明先生が中盤でリードを奪いますが
反撃に出た古賀悠聖先生の受け方をやや誤ると、
飛車を奪い返し、角のラインで睨み続ける古賀悠聖先生が逆転し
リードを大きくします。
そのまま渡辺陣の守りの金駒をものともせず、猛攻をしかけ渡辺明先生が投了。
オープニングゲームは、古賀悠聖先生の勝利となりました。
関東B 0-1 九州
第二試合 ●永瀬拓矢(関東B)VS古賀悠聖(九州)〇
第二局目は関東Bの永瀬拓矢先生と、第一局で勝った古賀悠聖先生の対局となり
永瀬拓矢先生の先手で対局開始となりました。
雁木に組もうとする後手の古賀悠聖先生に対し、
早繰り銀の模様を見せる永瀬拓矢先生。
序盤は永瀬玉が陣取る8筋を飛車角で睨み、抑え込むことでリードした古賀悠聖先生。
これを打開しようと玉で相手駒を奪う顔面受けで局面を打開しようとする永瀬拓矢先生。
中盤でリードを大きく拡げた古賀悠聖先生ですが、永瀬拓矢先生が
割り切って顔面受けで駒の交換を行い勝負手をかけ続け乱戦に持ち込もうとします。
8筋を清算しきり、成桂から反撃しつつ右辺への脱出を試みる永瀬玉ですが
古賀悠聖先生の攻めを最後まで受け切ることが出来ず投了。
古賀悠聖先生が驚きのタイトル経験者を2人抜き!
関東B 0-2 九州
第三試合 〇森内俊之(関東B)VS古賀悠聖(九州)●
期待を大きく上回る戦果を挙げた古賀悠聖先生の三局目の相手は
永世名人を持つ森内俊之先生。
古賀悠聖先生の先手で始まり、序盤は双方矢倉模様の昨今のAIが示す定跡ではなく、
代々人間が作り出した定跡に沿ったクラシカルな出だしとなりました。
双方重厚な囲いからスキを伺い、森内俊之先生は9筋に飛車を展開させ、
雀刺しのような含みを見せながら、お互い中央付近に集まる駒のぶつかり合いを捌きあう
矢倉のお手本のような持久戦となり、形勢は互角のまま中盤を迎えます。
森内矢倉を崩しにかかる古賀悠聖先生に対し9筋を制圧し、古賀玉の近くに飛車を睨ませた森内俊之先生。
双方の主張は、強く踏み込んだ古賀悠聖先生を正確な指し回しで守り切った森内俊之先生が
リードを奪うと、最後は必至をかけ、古賀悠聖先生の王手を鉄板流の受けで耐えきった森内俊之先生が反撃の狼煙を上げる一勝を挙げました。
This is iron plate style!
関東B 1ー2 九州
第四試合 〇森内俊之(関東B)VS佐藤天彦(九州)●
名人経験者同士の対局となった第四試合は森内俊之先生の先手で対局開始となりました。
後手の佐藤天彦先生は2筋に飛車を振り、向かい飛車の出だしとなると
左美濃から銀冠に構えた森内俊之先生。
更に穴熊に変形させ、鉄壁の布陣を敷いた森内俊之先生に対し
佐藤天彦先生は9筋を攻め、桂馬と香車の交換に持ち込み穴熊を崩し早々に森内玉を引っ張り出します。
飛車に香車2枚設置し、ロケットで9筋を制圧しようとする佐藤天彦先生に対し
鉄板流の森内俊之先生は角と銀を配備し、守りに専念します。
9筋の攻撃をはじき返し、2筋から反撃に転じた森内俊之先生が長い互角の形勢から
リードを奪うと、最後は守り切った9筋と2筋で佐藤玉を追い込み森内俊之の勝利。
若手のジャイアントキリングには羽生世代で鍛えた鉄板流の受けで押し返し、星取を五分に戻しました。
関東B 2ー2 九州
第五試合 ●森内俊之(関東B)VS佐々木大地(九州)〇
森内俊之先生の3局目となった対局の相手は、
相掛かりのスペシャリストである佐々木大地先生の先手でスタートし、予想通り相掛かりで進行します。
対する森内俊之先生は雁木模様に指し、佐々木大地先生の攻めを真向から受け止める構えを見せます。
ジリジリと攻め、小さなリードを奪う佐々木大地先生ですが
ベテランらしくジッと耐え、致命的な一手を指させず反撃を狙う森内俊之先生という構図が続きます。
桂銀交換から角の交換後に角を打ち込み、リードを拡大した佐々木大地先生に対し
最後まで駒を足し込んで抵抗した森内俊之先生ですが、
鉄板流を貫いた期待の若手佐々木大地先生が勝利。
森内俊之先生の善戦及ばず、ここで再び九州がリードを奪います。
関東B 2ー3 九州
第六試合 ●増田康宏(関東B)VS佐々木大地(九州)〇
3敗した関東Bチームは棋士チェンジにより、渡辺明先生に代わって増田康宏先生が出場となりました。
奨励会時代からの盟友である増田康宏先生と佐々木大地先生との対局となった第六局目は
増田康宏先生の先手でスタートします。
増田康宏先生の横歩取りに対し、中住いから6筋に玉を構えた佐々木大地先生。
激しい睨みあいで互角の展開が続きますが
増田康宏先生が交換した角を5六に打ち込み、睨みを効かせて小さいですがリードを確保します。
2筋で対峙した飛車の睨みあいを制し、リードを拡げると
飛車と銀を引き換えに角二枚と交換し激しく攻め合い、佐々木玉に迫りますが
香車を2枚巧みに使い有効手を防ぐ佐々木大地先生。
増田康宏先生の攻めが細くなった所で佐々木大地先生が反撃に転じるとポイントで逆転。
そのまま桂馬2枚を巧みに扱い、速攻で増田玉に迫り、増田康宏先生の投了となりました。
九州チーム、勝利まであと1勝と王手をかけました。
関東B 2-4 九州
第七試合 〇伊藤匠(関東B)VS佐々木大地(九州)●
あとがなくなった関東Bチームは、永瀬拓矢先生に代わり
伊藤匠先生が出場しました。
よく指している勝手しった相手同士の対局は、
やはり指しなれている相掛かりからの出だしとなり、玉を囲うこともなく
早々に角交換から佐々木大地先生が自陣に角を打ち込む展開となります。
9筋が主な戦場となり、ここを制圧した伊藤匠先生が序盤でリードを奪います。
9筋の角を交換し、馬を作りこんだ佐々木大地先生ですが
引き換えに形勢がやや劣勢となり、銀を取った伊藤匠先生が5四に角を打ち込み、2七銀の合わせ技で
佐々木飛車を捕獲することに成功すると形勢が一気に勝勢に。
最後は捕獲した飛車で王手をかけ、佐々木大地先生が投了。
伊藤匠先生が角番を一つ脱しました。
関東B 3ー4 九州
第八試合 〇伊藤匠(関東B)VS都成竜馬(九州)●
3敗目を喫した九州チームが、メンバーチェンジで
古賀悠聖先生に代わり都成竜馬先生の登場となりました。
序盤でアイデアのある差し回しで揺さぶりをかける都成竜馬先生が
向かい飛車、一手損角換わりと独特の差し回しを披露しますが
伊藤匠先生は落ち着いて対応します。
打開が難しくなった状況となり、最終的には千日手が成立し指し直しとなりました。
先後入れ替えて指し直しとなった二局目は、都成竜馬先生が中飛車に構える出だしとなります。
一局目同様難解な将棋となった展開ですが
角交換から5五に王手で打ち込んだ伊藤角に対し、
都成竜馬先生が銀合いをした所で形勢が大きく伊藤匠先生に傾きます。
そのまま一気に押し込んだ伊藤匠先生が勝ち切り、フルセットに持ち込みました。
関東B 4ー4 九州
第九試合 ●伊藤匠(関東B)VS佐藤天彦(九州)〇
ビクトリーマッチとなった第九試合は振り駒の結果、佐藤天彦先生の先手で対局開始となりました。
四間飛車に振った佐藤天彦先生に対し、急戦を仕掛けた伊藤匠先生。
お互いに7筋に飛車を向き合わせ、角交換をする激しい展開になると
伊藤匠先生が角を8八に打ち込み、香車と桂馬を取って馬作りに成功します。
対する佐藤天彦先生は6一に角を打ち込み、歩の成り込みと合わせて後手陣に踏み込む狙いを見せます。
4四に香車を打ち込んだ伊藤匠先生ですが、奪った香車で打ち合った佐藤天彦先生に対し
強く踏み込んだ伊藤匠先生ですが、正確に跳ね返した佐藤天彦先生がリードを奪います。
最後はリードをしっかりと保ち、手駒をどんどん伊藤玉に打ち込んでいった佐藤天彦先生の勝利。
伊藤匠先生は3連勝ならず、九州チームが関東Bを破りました。
関東B 4-5 九州
期待の若手古賀悠聖が躍動 タイトル経験者が受難の対局
若手が躍動した対局
今回は関東Bチームの渡辺明先生、森内俊之先生、永瀬拓矢先生
九州の佐藤天彦先生、深浦康市先生と
タイトル経験者が5名集う豪華な顔ぶれとなりましたが
渡辺明先生、永瀬拓矢先生が1勝も挙げられず敗退、
佐藤天彦先生も1勝1敗とタイトル経験者が苦戦する対局となりました。
代わりに期待の若手古賀悠聖先生が2勝、佐々木大地先生が2勝、伊藤匠先生が2勝と
若手が勝ち星を重ねる対局となりました。
やはり強かった!羽生世代の永世名人
そんな中、2勝1敗と両チームの最年長であった森内俊之先生が
コシのある重厚な受け将棋で勢いに乗る古賀悠聖先生を破って関東Bチームに勢いを取り戻すと
佐藤天彦先生も続けて破り、星取りをタイに戻しました。
鉄板流ウティここにあり!という将棋を見せてくれましたよね。羽生世代、やはり自力を見せつけてくれました。
エースが連勝しない展開
これまでの対戦では2番手に配置したエースが連勝し、チームを勢いづけて
そのままの勢いで押し切る展開が多かったのですが
今回は2番手の永瀬拓矢先生、佐藤天彦先生というエース格が連勝出来ずそれぞれ敗れています。
九州の1番手古賀悠聖先生、3番手佐々木大地先生、関東Bの3番手森内俊之先生が
2勝を挙げるというこれまでとは違う流れになりました。
更に関東Bのリザーブである伊藤匠先生が2勝を挙げ、最終局に持ち込む等
エース以外がポイントを挙げることの重要性を感じる対局となりました。
九州チームのチームワークが光りましたね。
今後エースが思うように勝ち星を挙げられなかった際、どうやって星を重ねていくのかは
やはりチームワークであることを思い知らされた対局となりました。
ABEMA地域対抗戦 PVでの応援や控室の雰囲気
控室に地域の名産品がズラリ
今回は関東Bチームにスポンサー様が付かれたようで、その紹介もされていました。
スポンサー様は宝仙堂様で、飯島栄治先生も出演されている栄養ドリンク「凄十」で有名な会社です。
その他にも横浜名物のハーバーなども置いてあり、名産物が目白押しとなっていました。
対局中には東京ばな奈等を召し上がられ、モグモグタイムを私達に披露して下さいました。
更に頂いたダルマに片目が入っておらず、対局中に増田康宏先生がマジックでダルマの目を書き入れるなど
和気あいあいとした雰囲気でいました。
一方九州チームはやまとの味カレーの大袋が中央にドンと陣取る
インパクト十分のラインナップとなっていました。
勝敗もあるが和気あいあいとした控室の雰囲気
関東Bチームは実力者が集う優勝候補の一角ですが、
監督がエンターテイナーの渡辺明先生と言うこともあり、リードを奪われる状況でも
笑いが起きる控室となっていました。
第三局の相矢倉模様となった際には増田康宏先生をイジったり、
森内俊之先生の形勢がよくなると大先輩をイジったりと
監督自らムードメーカーとして場を盛り上げていました。
永世名人である森内俊之先生に対し伊藤匠先生が「気負わずに」というアドバイスを送るとんでもない展開。非常に楽しそうでしたね。
対する古賀悠聖先生のジャイアントキリング2連発で一気に雰囲気がよくなった九州チーム。
やはり連勝すると控室も盛り上がるということがよくわかる状況でしたね。
佐藤天彦先生が負けた際も、師匠である中田功先生をdisって笑いに変えるなど
勝敗が絡む中でも、終始楽しそうにしていたのが印象的でした。
佐々木大地先生の対局の際は、師匠であり監督でもある深浦康市先生が
ABEMA君の水を持ってきて、
「これを振ると勝てるんだよ~」
とメンバー分持ってきて、佐々木大地先生の形勢が苦しくなると
チームみんなで振るように促していたのが非常に楽しそうでした。
PV会場も一番の盛り上がり
関東Bチームは藤森哲也先生が盛り上げ役に徹し、会場を盛り上げると
九州チームは中田功先生、豊川孝弘先生の 酔っぱらうとめんどくさい 盛り上げ役2トップが
お酒を飲みながら会場を大いに盛り上げていました。
PVの進行は毎週改善されていっているように感じます。
これまではあまりお酒を前面に押し出すような展開ではありませんでしたが、
今回からはお酒を飲みながらのPVであることをオープンにするようになり
パブでサッカー観戦をするようなスタイルに少しずつなってきているように感じます。
次回の対局が決定
今回の対局により、
勝利した九州チームは1位通過を懸けて先に勝利した中部チームと、
敗れた関東Bチームは、2位での通過を懸けて関西Bチームと2/24に対局となります。
どちらのチームも勝利を目指して頑張って欲しいですね!
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