先日、X(Twitter)にて福島原子力発電所から排出される処理水について
「放射能汚染水」と発言し、物議を醸していたオイシックスの藤田和芳会長が
2024年2月22日、会長職を辞任しました。
放射能汚染水発言そのものが不適切な発言であるとして
2月15日に会社が謝罪コメントを出しており、懲罰会議でも3月末までの停職処分となっていましたが
一体何が起きていたのでしょうか。
今回はそんな藤田和芳さんについて調べてみました。
どうぞ最後までごゆっくりとお読みくださいませ。
オイシックス 藤田和芳の汚染水発言経緯
汚染水発言は今回が初めてではなかった
2月10日のX(Twitter)にて、
と呟いたことから騒動が始まります(現在は削除済)
等と発言しており、複数回に渡って放射能処理水を「汚染水」と表現していたことがわかります。
ちなみに今回が初めてではなく、過去にも
等と発言しており、ハフポスト日本版が同社に対し取材をしていたようです。
オイシックス社も藤田和芳に繰り返し注意
同様の発言を受け、オイシックス社も発言については
藤田和芳氏に複数回指摘をしていたようでしたが、それが不十分でありこのような事態になったことについてHP上でも謝罪しています。
自分達が行っているビジネスの観点からも、このように不必要に不安を煽ったり
科学的な根拠に乏しいような発言はやはり会社としても看過できないのは当然だと思います。
X(Twitter)には不穏な呟きが散見される
今回の汚染水発言に限らず、藤田和芳氏のX上での発言は
科学的根拠や一般的な見解からは大きく外れた内容のものもあり
汚染水以外の発言に関しても物議を醸しかねないものが幾つか散見されました。
例えばこちら。
では万引きした88歳の人については見逃せばよかったのでしょうか?
日本は法治国家であり、日本国民全ての人が法の下平等であり
1人の人間として最大限人権、自由を尊重されるべき国となっています。
可哀想という人間の感情で特例を設けず、法律というルールが支配している為秩序が保たれており
これは民主主義国家としての根幹を担う考え方となっています。
それを否定するような言動が日常的にあったとなれば、早晩問題になるのは目に見えていたと考えるのが妥当ですね。
また、発言そのものを見ると
原発に反対するような言動や、特定の党に関するネガティブな投稿をしているなど
政治的な思想を前面に押し出した投稿が少なくありません。
ビジネスをする人間が、個人的な政治思想を持つことはおかしいことではありませんが
公の場で発言することは大きなリスクが伴う上、日本では敬遠されがちとなっています。
マナー研修でも教えて貰うよね?酒の席で政治と宗教、野球の話はしてはいけないって…
零細企業の経営者としての発言ではなく、大企業の会長という立場でこれらの発言を
忖度なくしたら問題になるのは当たり前でしょう。
藤田和芳 オイシックス元会長 社長高島宏平のプロフィール 経歴
プロフィール
藤田和芳氏のプロフィールです。
生年月日 | 1947年2月6日(2024年で77歳) |
出身 | 岩手県胆沢郡胆沢町(現在の奥州市) |
学歴 | 岩手県立水沢高等学校、上智大学法学部 |
職歴 | 出版社勤務、大地を守る会代表、オイシックス会長 ※2017年に大地を守る会とオイシックスが経営統合 |
要職 | 100万人のキャンドルナイト呼びかけ人代表 アジア農民元気大学理事長 ふるさと回帰支援センター理事 食料・農林漁業・環境フォーラム幹事 日本NPOセンター評議員 経済産業省ソーシャルビジネス推進イニシアティブ委員 「世界を変える社会起業家100人」ニューズウィーク日本版2007 |
となっており、大地を守る会以降は主に有機農産物の生産と販売を中心に活動されていたようです。
大地を守る会時代には左翼活動家と手を組んでいた
大地を守る会の前身として、1975年に大地を守る市民の会を発足させており
この時のパートナーであった藤本敏夫氏(2002年肝臓がんで死去)が
左翼活動家であったようです。
1960年~70年代の学生運動に参加、複数回の逮捕の後
獄中にて歌手の加藤登紀子さんと結婚します。
大地を守る市民の会設立後は1981年に鴨川自然王国を設立し
農事組合法人として有機栽培の実践をされているようです。
その後1992年に環境政党「希望」を設立し、参議院選挙比例区に出馬しますが9名全員落選。
みどりといのちのネットワーク、原発いらない人びと、ちきゅうクラブ
などを糾合した組織とのようで
藤本敏夫氏と意気投合していたとすれば、X内における反政府・反権力・反原発等の言動も
合点が行きます。
有機野菜の栽培そのものは思想関係なく素晴らしいんですが、有機野菜の栽培を思想の実現として扱っていたとしたら残念ですね。
オイシックス・ラ・大地の社長はビジネスエリート
オイシックス・ラ・大地の社長を務める高島宏平氏は東京大学大学院工学系研究科修士課程を経て
マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社、主にEコマースの領域を学ばれた後に
オイシックスを設立されるスーパーエリートです。
買い物弱者に対して軽トラを用いた移動型スーパーで解決する「とくし丸」の経営も行われており
大戸屋ホールディングスとの業務提携、シダックスの子会社化等ビジネスの面で特筆した成果を積み上げられただけでなく
日本車椅子ラグビー連盟の理事長を務めたり、
オイシックス新潟アルビレックス・ベースボール・クラブの会長を務めるなど
ビジネス以外でも様々な分野で活躍されています。
とくし丸や車椅子ラグビー連盟のように、社会的弱者やハンディキャップを抱えた人を
支援するような姿勢や、オイシックス・ラ・大地のカルチャーでもある生産者の論理ではなく
利用者の視点に立ったサービス展開等、イデオロギーが入り込むスキがない程
精錬されたビジネス・活動を展開されています。
明らかに藤田和芳さんとはカルチャーや価値観が違いすぎる…
まとめ 藤田和芳氏はオイシックス・ラ・大地と明らかに合わなかった
これまで紹介した記事の内容を読んで頂いたのであればご理解頂けるものと思いますが
明らかにオイシックス・ラ・大地の社長である高島宏平さんと同社、
そして会長の藤田和芳さんの考え方や価値観に大きな隔たりがあったことが
今回の騒動を引き起こしたと考えて相違はないでしょう。
藤田和芳さんは代表権のない会長職と言うことでしたが、ビジネスの場において
TPOを弁えることが出来ず、個人と公人としての考え方を分けられない人材が
経営層に居ることは、会社にとって大きなリスクであることを示す事例だったと思います。
ましてや東証プライム上場企業がという日本を代表する企業の中でこのような騒動が起きたということは
企業統治の観点からも見直すべきでしょうし
そのような人間がSNSを用いて個人の自由の下発言をする、ということが
どれだけのインパクトを企業に与えるか、ということが改めて浮き彫りになった事件だと思います。
表面化しないだけでオイシックス以外にもこういうこと日本では沢山あるからね!?
経営者の高齢化が進み、顔を出してくる老害仕草とそれにより発生している企業の損害
それを諫めたり、逆らったりすることが出来ず耐えるしかない社会構造は早急に改善が必要と考えています。
老害と言う言葉を高齢者の方に向けて発することは本来失礼なことなのかもしれませんが
今回のような事例を見ると、ビジネスにとって老害仕草は百害あって一利なし、と言うことが
理解頂けたと思います。
健全なビジネスを行っていく為にも、やはり健全な考え方と健全な行動が伴わない人には
いくら実績があろうと、退いて頂くことが最適解であることを考えさせられる事件でした。